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RSSフィード メダロット〜15 years after〜
   

日時: 2015/06/22 06:42
名前: 磁石マン

初代アニメメダロット放送終了からもうすぐ15年が経ちます。
そこであのアニメのイッキたちの15年後のストーリーを描いてみました。

一応、魂の話から15年後ということにしていますが、
話の設定やコメディータッチなところは初代アニメを踏襲する形でいきます。

〜ストーリー〜

イッキたちが世界大会でヘベレケの野望を打ち砕き、その後デスメダロットを
率いるコクリュウを更生させてから早15年が経とうしていた。

かつて子供だった者は皆大人へと成長し、大人になった人々はメダロットとの友情は続きつつも、
仕事や日々の生活に追われて昔のようにロボトルを行う者は少なくなってしまっていた。

イッキはというと、かつてと変わらず仕事の合間を縫ってはメタビーとロボトルを楽しんでいた。
そんなイッキにある日、ロボトル世界大会の案内状が届く。
今回こそはビクトルに勝つんだと意気込むイッキとメタビーだったが、
そんな彼らの前に新たな敵が立ちはだかろうとしていた。



Re: メダロット〜15 years after〜 ( No.1 )
   
日時: 2015/06/22 07:08
名前: 磁石マン

「ち、遅刻だぁぁぁあ!!!」
階段を駆け下りる音がしたかと思うと、イッキが血相を変えて降りてきた。
「あらあら。今日も騒がしいわね。」
チドリがメタビーと目を合わせ、にっこりと笑った。
イッキは息を荒くしながらスーツに腕を通していた。
「メタビー、なんで起こしてくれなかったんだよ!!」
「あーん?俺は目覚まし時計じゃねぇぞ。」
「あのなぁ!お前は俺のメダロットなんだぞ!少しは…。」
「俺はお前をマスターと認めた覚えはない!!」
イッキとメタビーは互いに睨み合う。するとチドリは二人の間に割り込むと、
イッキの口にパンを突っ込み、メタビーの頭をぽんぽんと撫でた。
「俺とお前は友達だ…でしょ?さぁ、早く行かないと本当に遅刻するわよ。」
イッキはメダロッチの時計を見て目を丸くし、パンを飲み込んだ。
「あーー、しまった!行ってきまーす!!」
「あっ、イッキ。待って。」
「な、なに!?」
「行ってらっしゃいのちゅ…」
「行ってきまーす!!」
「冗談よ、冗談。イッキ宛に世界大会のお手紙が届いていたわよ。」
チドリは一通の封筒をイッキに手渡した。
「おぉーーー!遂にやってきたんだね!!」
「イッキ!今度こそビクトル率いるケニアチームに勝って優勝しようぜ!!」
「おうよ!4度目の正直だな!!」
「それを言うなら3度目の正直じゃ…。」

3度目の正直。それは1度、2度と同じ過ちを繰り返してきた者が使う言葉であり、
3度目こそはという気合いを表した言葉である。
尚、2度あることは3度あるという言葉があるように、その信憑性は限りなく薄い。

Re: メダロット〜15 years after〜 ( No.2 )
   
日時: 2015/06/22 08:34
名前: 磁石マン

イッキが息を切らしながら工場へと辿り着いた。
「イッキくーーーん。今年20回目の遅刻おめでとう。」
そこには怒りを露わにするタンタカ工場長の姿があった。
「あはは。いやー、なんか記念品とか貰えたりしますかね?」
「そんな訳あるか!!さっさと支度しなさい!!!」
「は、はーい!!」

イッキはメダロットのパーツを作る小さな工場へ就職していた。
メダロット社へ来ないかというメダロット博士の言葉もあったが、
頭を使う仕事は向いていないのと、ナエへの憧れもありイッキはこの仕事を選択した。

定時のチャイムが鳴ると、イッキは勢いよく工場を飛び出した。
「お疲れ様でしたーー!!」
タンタカ工場長はやれやれと頭を振った。
「まったく…帰るときだけは人一倍早いんだから。」

「さぁ!仕事は終わりだ!ロボトルするぞー!!」
イッキは意気揚々とメダロッチのボタンを押した。
「メダロット転送!」
メダロッチから眩い光が放たれたかと思うと、メタビーが姿を現した。
「待ちくたびれたぜ!さぁロボトルしに行こうぜ!」
「おうよ!!今日は街に出るぞ!!」
すると、二人に対してパシャというシャッター音と共に
フラッシュが光ったかと思うと、カメラを持った女性がにっこりと笑った。
「天領イッキ、仕事をサボりロボトルに行く。スクープね。」
「ア、アリカ!」
そう。その女性は甘酒アリカ。現在はメダロット新聞社で勤務し、
若手女性ジャーナリストととして注目を浴びる存在となっていた。
「違うんだこれは!仕事は今日早上がりだったから!」
「ふふ。冗談よ、冗談。しかし相変わらずの本当ロボトル馬鹿っぷりね。」
「あたぼうよ!」
「俺とイッキのロボトルを極める道にゴールなんてないんだよ!」
「はいはい。なんかあんた達を見てると昔とちっとも変わってなくて安心するわよ。」
アリカはそう言うと、二人に対して一枚の紙を差し出した。
「これは?」
「ギンジョウ小学校の同窓会の案内よ。あんたはどうせメールとか見ていないだろうから、わざわざ印刷して持ってきてあげたのよ。」
「おぉ!ありがとう!!」
「同窓会ってなんだ?」
「小学校時代のみんなで久しぶりに集まる会よ。まぁイッキは今まで一度も参加してないから、メタビーが知らなくても無理はないわね。」
イッキはアリカに睨まれて、サッと目をそらした。
「今回は来なさいよね。オトコヤマ先生やマスミ先生も来るって言ってるんだからさ。」
「う、うん。行けたら行くよ。」

行けたら行く。それは誘いを受けて困った時に人がよく使う言葉である。
大抵、この言葉を使った人間は来ないことで有名である。

「絶対来なさいよ!今回は特別にカリンちゃんとコウジ君とギンカイ君もも二次会には呼ぶ予定なんだから!」
「えっ!カリンちゃ〜〜〜ん。」
イッキは鼻の下を伸ばした。
「行く行く!絶対行く!!コウジとギンカイの奴は別にどうでも良いけど。」
「本当、調子良いな、こいつ…。」
アリカは眉間に皺を寄せながらもゆっくりと頷いた。
「オッケー。んじゃまたその時にね!私はまたこれから取材があるから。」
アリカはそう言うと立ち去ろうとして、不意に立ち止まった。
「あっ、それからこれは新聞社に風の噂で入ってきた程度の情報だけど…。」
「?」
「数日前、怪盗レトルトを見たって人がいるらしいのよ。本当かどうかは定かじゃないけどね。」
「か、怪盗レトルトを!?」
「マジかよ!!」
「あくまで噂よ!デマかも知れないけど、一応伝えておかなきゃと思っただけよ。」
アリカはそう言うと二人に手を振りながら去って行った。

Re: メダロット〜15 years after〜 ( No.3 )
   
日時: 2015/06/23 00:29
名前: 磁石マン

「どうしたイッキ。今日はロボトルに行かないのか?」
帰路へと進むイッキに対してメタビーは尋ねた。
イッキは暫く黙り込んでいたが、メタビーの方へと目を向けるとこう言った。
「なぁメタビー。さっきのアリカの話どう思う?」
「…怪盗レトルトのことか?」
怪盗レトルト改め宇宙メダロッターX。彼は16年前の大会終了以来突然姿を消し、
行方が分からなくなってしまった。同時にコンビニのヒカルもいなくなったことから、
イッキ達はヒカルこそが怪盗レトルトの正体だったのだろうと今では考えている。
「ヒカル兄ちゃんがいなくなってから…俺は日本ランキング1位にはなれたけど。」
イッキは拳を強く握り締めた。
「やっぱヒカル兄ちゃんを超えられなきゃ本当の日本1位は名乗れないよな!ってずっと心のどこかで思い続けてた。」
「あぁ。俺も一緒だ。」
イッキとメタビーは目を合わせ、互いに頷いた。
「レトルトの噂、出処を探してみるか!」
「おうよ!!」

Re: メダロット〜15 years after〜 ( No.4 )
   
日時: 2015/06/23 00:57
名前: 磁石マン

イッキは自宅のパソコンを立ち上げると、インターネットの情報を探り始めた。
「怪盗レトルト…怪盗レトルト…と。あった!これだ。」
「本当か!どれどれ。」
その匿名掲示板には確かに怪盗レトルトらしき人物を目撃したとの書き込みがあった。
その場所を調べようとイッキがクリックしようとした時、
突然パソコンの画面がザァザァと砂嵐状態になってしまった。
「なんだよ良いところで!突然おかしくなったぞ!」
「これ買ったばかりのやつだろ?お前変な使い方してたんじゃねーの?」
「なんだと!!メタビーこそ勝手に変なとこいじったんじゃないだろうな!!」
「なにーー!!」
イッキはとメタビーは互いに睨み合い、今にも取っ組み合いの喧嘩を始める姿勢になった。
しかし、突然パソコンは砂嵐の状態からバチバチと火花を散らし出したかと思うと、眩い閃光を放った。イッキとメタビーがあまりの眩しさに目を閉じた。
そして目を開けると、そこには体から火花を散らしながら髪を逆立てる1人の少女の姿があった。
「な、なな!?」
「ニンゲン…テキ!」

Re: メダロット〜15 years after〜 ( No.5 )
   
日時: 2015/06/23 01:30
名前: 磁石マン

少女の後ろから一体の虎の姿をしたメダロットが飛び出してきた。
「なんだ?見たことないメダロットだ。」
「ツンドル…ニンゲンヲタオセ!!」
ツンドルと呼ばれたメダロットはイッキとメタビーを攻撃しようと身構えた。
「こ、ここで戦う気か!冗談じゃないよ!部屋を荒らされてたまるか!!」
「元々汚い部屋だから良いじゃねぇか。」
「うるさい!メタビー、レクリスモードだ。」
「おうよ!」
メタビーの体が変形し、車両型メダロットへと変型した。
イッキがメタビーに飛び乗ると、2人は窓から外へと飛び出した。
少女とツンドルが後を追うように窓から飛び出した。
「お、おいおい!ここ2階だぞ!!」
しかし少女はツンドルと共にまるで猫のような軽やかさで地面へと着地した。
「す、すげぇ!」
「ニゲテモムダダ、ニンゲン。」
「逃げる?冗談じゃないね。」
イッキはメタビーから降りるとニヤリと笑った。
「誰かは知らないけど、お前には安い給料を苦労して貯めて買ったパソコンを駄目にされたんだ。土下座で謝罪させてお尻ペンペンして、大人の厳しさをたっぷり教えてやる!!」
「そう言うの大人気ないって言うんじゃねぇのか?」
「細かいことは良いんだよ!行くぞ、メタビー!!」
「おうよ!!」
メタビーはレクリスモードを解き、臨戦態勢に入った。
「合意と見てよろしいですねー?」
その声が響き渡ったかと思うと、イッキの家の屋根にミスターうるちが姿を現した。
「ミスターうるち!」
「久しぶりじゃねぇか!!ってかまだ審判やってたのな!!」
「えぇ。あの事件以来、表舞台に出ることは自粛していたのですがね。定年間近なので最近は自由にやらせてもらってるんですよ。」
「ほー。何にせよテンション上がるな!」
少女は苛立ちながら叫んだ。
「マダカ。オンナヲマタセルノハオトコトシテサイテイダゾ。」
「あっ、すみませんね。それではロボトルーーファイト!!」

Re: メダロット〜15 years after〜 ( No.6 )
   
日時: 2015/06/23 02:12
名前: 磁石マン

するとロボトル開始してすぐにツンドルはメタビーへの間合いを詰めて、かぎ爪のような左腕で攻撃を仕掛けてきた。
「は、はやい!」
「メタビー、後ろへ飛んでヒューザーだ!」
メタビーはイッキの指示通り、後ろへ飛んで咄嗟にかぎ爪を回避すると、右腕のヒューザーからライフルをツンドルへと打ち込んだ。
「ヤルナニンゲン。」
「手を休めるなメタビー!ブラスターで追い討ちだ。」
「おうよ!」
メタビーの左腕からマシンガンが打ち出される。
しかし、ツンドルは素早い身のこなしでそれを回避すると、塀の上へと飛び乗った。
「待ちやがれ!」
「メタビー、距離を詰めてバリスターで決めるぞ!」
メタビーがイッキの指示通り距離を詰めようと走り出した時、突然足が滑ってその場に思いっきり転んでしまった。
「いてて。」
「な、何やってんだよメタビー!」
「んなこと言ったって!なんかにつまずいたんだよ!」
メタビーが足元を見ると、そこにはバナナの皮が転がっていた。
「な…なんてベタな。」
するとツンドルがメタビーの背後へと瞬時に移動し、右手のかぎ爪でメタビーを切り裂いた。
「ぐわぁ!!」
「クク、クチホドニモナイヤツダナ。」
「メタビー何やってるんだ!さっき指示した通りに行動しするんだ!」
「さ、さっき何か言われたっけ?」
「はぁ!?どうしたメタビー!惚けたのか?接近してバリスターだよ!」
「おうよ!」
メタビーは再びツンドルに近付こうと走り出したが、またしてもバナナに足を取られて転倒した。
「いてて…。あれ?何しようとしてたんだっけ?」
「メタビー気を付けろ!上から来るぞ!!」
ツンドルがメタビーの頭上から攻撃を仕掛けてきた。メタビーは間一髪それを回避する。
「そうか…!転倒攻撃のパーツか。」
「…転倒攻撃?」
「相手のメダロットを転ばせて、行動指示を忘れさせるパーツだ。あのメダロットの素早さもあって、かなりうまく使いこなされてる。」
「ドウシタ?モウオワリカ?」
しかし、イッキとメタビーは目を合わせてニヤリと笑った。
「そういうことなら簡単だな。なぁメタビー。」
「あぁ。反撃開始だ!」
メタビーはその場から一歩も動かず静止した。
ツンドルはニヤリと笑うと、瞬時にメタビーの背後に回り込んだ。
しかしメタビーもまた瞬時にそれに反応して、振り返ってヒューザーを打った。
「オソイ!!」
ツンドルは軽い身のこなしでそれを回避すると、メタビーにかぎ爪で攻撃した。
「くっ…!」
メタビーはその場に倒れこんだ。
「トドメダ、ツンドル!」
ツンドルは追い討ちをかけようと左腕を振り上げた。
しかし、その時ツンドルの脇腹をライフルが打ち抜いた。
「ナッ…!」
「今だメタビー!バリスター!!」
「おうよ、食らえーー!!」
メタビーの頭からミサイルが発射され、ツンドルへと命中した。
「バ、バカナ!ドコカラライフルガ?」
「跳弾さ。ヒューザーの弾は、塀に当たって跳ね返ってツンドルの方へ返ってくることまで計算して打っていたのさ。」
「ソンナコトガ!シカシ、ソンナシジハイチドモ…。」
「指示を出せば転倒で忘れさせられちゃうからな。だったら下手に指示を出さないだけさ。」
「俺とイッキは心で繋がってる。多少指示なんぞ無くとも、こいつのやりたいことくらい何となく分かるのさ。」
少女は唇を噛み締めた。
『ハナシニキイテイタ…コレガテンリョウイッキトメタビーノバクハツリョクカ。ダガ…。』
少女は突然笑い声を上げだした。
「な、何がおかしい!」
「イマノイチゲキデパーツヲコワセナカッタノガウンノツキダ。ツンドル…メダチェンジ!!!」

Re: メダロット〜15 years after〜 ( No.7 )
   
日時: 2015/06/23 08:38
名前: 磁石マン

ツンドルは変型したかと思うと猿のファルムへと姿を変えた。
「ミセテヤル。ツンドルノシンノスピードヲ。」
少女の言葉と同時にツンドルはイッキとメタビー視界から消えた。
「は、はやい…!」
「メタビー、右だ!!」
イッキの声でメタビーはハッとすると、右から氷の塊が飛んできた。
メタビーは間一髪それを右腕で防いだが、右腕は完全に凍りついてしまった。
「くっ!」
「ハハハ!オマエラノドウタイシリョクデハトウテイトラエラレマイ。」
しかし、イッキとメタビーはニヤリと笑った。
「ビクトル対策に訓練したあれが役に立ちそうだな!」
「あぁ!!」
イッキとメタビーはそう言うとゆっくりと目を閉じた。
一方、ツンドルは超高速で移動しながらフリーズで再び攻撃しようと身構えた瞬間だった。
メタビーのブラスターの銃口がツンドルへと真っ直ぐに向かい、無数の弾丸が打ち出された。
ツンドルの体を無数の銃口が撃ち抜く。
「ナッ!?」
「勝負あったな。」
メタビーはブラスターの銃口を倒れこんだツンドルの頭に突き付けた。
「ナゼダ…ナゼツンドルノイチヲセイカクニ!」
「目で見切れねぇなら…魂で感じ取るだけさ。」
「メダルには魂が宿っている。その魂を感じ取ることさえ出来れば、目で追うより早く正確に相手の位置を見極められる。俺とメタビーが特訓を重ねて身につけた技さ。」
うるちが少女へと問いかける。
「勝負ありとみなしてよろしいですね?」
しかし少女は俯いたかと思うと、不敵な笑みを浮かべた。
「ククク…ハハハ!ハハハハハハ!!」
「?」
「ツンドル…ヤレ!!!」
ツンドルの腕から氷の塊が撃ち出された。
しかし、その標的はメタビーではなく…イッキだった。
「なっ!?」
メタビーは直ぐさまイッキを庇うようにイッキの前方に立った。
氷の塊はメタビーの腹部に命中し、腹部から脚部にかけて完全に凍りついてしまった。
「メタビー!!」
「ハハハ!イマダツンドル!!」
ツンドルはメタビーへと駆け寄るとメタビーの右腕を全力で殴り飛ばした。
凍りついたメタビーの右腕はティンペットごとバラバラに砕け散った。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!」
「メタビーーー!!!!」
うるちが少女へ止めに入る。
「いけません!メダロッターへの攻撃は完全な違反行為ですよ!!」
しかし少女の体から電撃が放たれて、うるちは気絶してその場に倒れこんだ。
「マダマダ!!」
ツンドルの蹴りがメタビーの左脚へと命中し、左腕もまたバラバラに砕け散った。
「やめろーーー!!!!」
メタビーの体から眩い光が放たれた。
ツンドルは咄嗟に距離を置いた。
「許さねぇぞ、お前ら。」
「フフ…キタナ、メダフォース!」
「行けーーー!メタビー!!」

Re: メダロット〜15 years after〜 ( No.8 )
   
日時: 2015/06/25 01:31
名前: 磁石マン

メタビーがメダフォースを放とうと身構えた瞬間だった。
突然天からメダルが一枚降ってきたかと思うと、少女の頭に直撃した。
「クッ…!ナニモノダ!!」
メタビーとイッキも呆気に取られて、メダフォースを放つのを止めると、メダルが降ってきた方へと視線を移した。
そして、その瞬間、イッキとメタビーは目を疑った。
暗い闇の中佇む黒いマントを身に纏い、仮面を付けたその姿…
「か、怪盗レトルト!」
イッキが半信半疑に近付こうとしたその時、突然少女がその場に倒れ込むと悲鳴をあげた。
「コ、コレハロッカクカヘイセキ!ヤバイ!!」
少女はそう叫ぶと血相を変えてツンドルと共にその場から立ち去ろうとした。
「待て!お前ら何者なんだ!!」
イッキが叫ぶと少女はイッキを睨みつけて言った。
「ワタシノナハエレクトラ。イマイマシイニンゲントレアメダル!ツギニアッタトキガオマエラノサイゴダ。」
エレクトラと名乗る少女はそう言い残すと、ツンドルと共に闇に消えていった。
そして、それと同時にレトルトらしき人物の姿もいつの間にか消えていた。

Re: メダロット〜15 years after〜 ( No.9 )
   
日時: 2015/06/26 01:24
名前: 磁石マン

翌日、イッキはメタビーの修理を頼みにナエの元へ伺った。
「酷いことする奴もいるものね。パーツからティンペットに至るまで全部粉々よ。」
「本当許せねぇ!あの野郎…!!」
「ナエさん…メタビーのパーツは修復可能そうですか?」
ナエはうーんと唸った後、イッキに言った。
「ここですぐにどうこうっていうのは無理だと思う。サイカチスのパーツは市販で流通しているものでもないから。メダロット社へ行って、おじいちゃんに頼まないといけないわね。」
「なるほど…。」
「しかしあのヨボヨボのメダロット博士で大丈夫かねぇ。」
メタビーの頭をイッキが叩いた。
「失礼なこと言うなよな、お前!直してもらう分際で!」
「いって!この野郎、何しやがる!!」
「あん?やるか?」
「やめなさいよ。メタビーは片手片足なんだからさ。」
ハニーがティンペットを持ってやってきて二人を止めるように言った。
「とりあえずこのティンペットを使って。最近発売された改良型だから、軽い上に耐久性も今よりだいぶ高いはずよ。」
「ありがとうございます!」
「それからサイカチスのパーツが直るまでの代用パーツは…。」
ナエはごそごそとパーツの積まれたコンテナを探るとおもむろにパーツを取り出した。
「あったあった。はい!やっぱりこれが馴染み深いでしょ?」
「おぉー!旧型KBTタイプ!!」
そう。ナエの取り出したパーツはかつてメタビーが愛用していた、KBTタイプ「メタルビートル」のパーツたちだった。
「とっといてくれたんですね!!」
「まぁね。軽くメンテナンスはしとくから、その間に新しいティンペットにメダル移し替えてあげて。」
「はい!」
イッキは今のティンペットからメタビーのカブトメダルを外し、新しいティンペットにメダルを埋め込んだ。
「おぉ。確かにこれは軽い!」
メタビーはティンペットの体でその場をぴょんぴょんと跳ねる。
「良いねぇ、これ!イッキもこういうとこにもっとお金使ってくれりゃ良いのによ!」
「無茶言うなよ!給料安いんだからな。」
「…アイドルにはお金使う癖によ。」
「ギクッ!?」
イッキはメタビーの言葉に冷汗を流す。
「俺は知ってんだぞ?チャーミング48の握手会のために、CD買ってることをよ。」
「ち、違うんだ!あれは…ほら。コウジのやつが握手会一緒に行きたいって言うから仕方なくさ。」
「そのために何枚も買ってるのか?」
「うっ…。」
イッキは返す言葉が無くなり黙り込んだ。
「ふふ。相変わらず仲が良いわね。」
ナエはメタルビートルのパーツをメンテナンスしながら笑った。
その時、イッキはハッとしてナエに言った。
「そういえば前聞いたことありますけど…ナエさんってヒカル兄ちゃんと幼なじみなんですよね?」
「えぇ、そうよ。私の方にも全く連絡がないから、今は何をしてるか分からないんだけとね。」
「実は昨日…謎の少女とのロボトルの時に怪盗レトルト…つまりヒカル兄ちゃんらしき人物が現れたんです。」
「えっ!?」
ナエはメタビーをメンテナンスする手を止めて、目を丸くした。
「そ、それは本当!?イッキ君!」
「は、はい。」
「えらい取り乱しようだな、ナエさん。」
「仕方ないわよ。ヒカルさんはナエの初恋の人だもの。」
「こ、こらハニー!余計なこと言わないの。」
「えぇーーーー!?」
イッキとメタビーはあまりの衝撃の事実に声を張り上げた。
「あ、あのヒカル兄ちゃんが…ナエさんの初恋の人!!!」
「信じられん。あのバイトサボって鼻くそほじってるような駄目人間がナエさんの…。」
「こらこら。酷いこと言わないの。」
ナエは再びメタルビートルのパーツをメンテナンスしながらフッと笑った。
「今思い返しても鮮明に思い出せるくらいカッコよかったわ。このメタルビートルと一緒にロボトルしているヒカル君はね。」
「は、はぁ…。」
「でもナエさんが相手ならヒカル兄ちゃんも簡単に振り向いてくれたんじゃないですか?」
ナエは首を横に振った。
「全然。私はあの子には敵わなかったから。」
「…あの子?」
「ううん、何でもないの。」
イッキとメタビーは何となく空気を悟り、顔を見合わせて頷いた。
「まっ!でもヒカル兄ちゃんじゃナエさんには勿体無いてすからね!」
「そうそう!ナエさんにはもっと素敵な人が見つかりますよ!」
「ふふ。ありがとう。こんなおばさんのことフォローしてくれて。」
ナエはメタルビートルのパーツをメンテナンスする手を止めると、ニッコリと笑った。
「さっ、メンテナンス完了よ。メタビーにこのパーツを付けてあげて。」
「は、はい!ありがとうございます。」
イッキは意気揚々とメタビーにパーツを取り付け出した。
全てのパーツを付け終えると、メタビーは嬉しそうに笑った。
「うおー!久々だけど、やっぱこのパーツは最高だな!!」
「ふふ、それなら良かった。」
ナエはそう言って笑った後、真面目な表情でイッキに尋ねた。
「それと話は戻るけど…ちなみにその怪盗レトルトは本当に本物だったのかしら?」
イッキは頭をかきながら言った。
「確かにシルエットとか仮面は本当にレトルトって感じだったんだけど…髪の色が金髪だったり背丈が若干低い気がして、若干違和感はあったんですよね。」
「…金髪?」
ナエはその言葉を聞くと微笑んだ。
「なるほどね。」
「…ナエさん?」
「ううん、何でもないわ。私はちょっと心当たりを探ってみるわ。」
「?」
イッキは不思議そうに首を傾げた後、メダロッチの時計を見た。
そして目を丸くした。
「あー!やばい!!同窓会もう始まってる!!」
イッキはナエにお辞儀をして立ち去ろうとしたが、ハッとして立ち止まった。
「あっ、そういえば!」
イッキは昨日、レトルトらしき人物がエレクトラに投げつけた無地のメダルをナエへと差し出した。
「昨日、レトルトらしき人物がこれを謎の少女に投げつけたんです。そしたら相手は血相を変えて、ろっかくなんちゃらがどうのこうのって言って去って行って…。」
ナエはその無地のメダルを受け取り、しばらく眺めてから言った。
「分かったわ。これもおじいちゃんに聞いてみる。とりあえずイッキ君、メタビー気を付けてね。」
「ありがとうございます!」
「大丈夫!この前は油断したが、二度とこんなことにはならねぇからよ!」
「おうよ!!」
イッキとメタビーはそう言い放つとハイタッチをした後、同窓会の行われる居酒屋に向けて走り出した。

Re: メダロット〜15 years after〜 ( No.10 )
   
日時: 2015/06/30 04:50
名前: 磁石マン

イッキは息を切らしながら一軒の居酒屋の前で立ち止まった。
そして同窓会の案内を見て、店名を確認した。
「居酒屋歩道橋。よし、ここだ!」
「おう!しかし変わった名前の店だな。」
イッキとメタビーが店内に入ると、座敷の人だかりの中からアリカが手を振った。
「あっ、来た来た。遅いわよ、イッキ!」
「悪い悪い。」
「おぉ!天領!!」
オトコヤマが座敷から勢いよく立ち上がると、イッキへと駆け寄って力いっぱい抱き締めた。
「久しぶりだなぁ、天領!!先生はお前に会いたかったぞ!!!」
「痛い痛いって!相変わらず暑苦しいなぁ、オトコヤマは!」
「むっ。先生に向かって呼び捨てとは…罰としてこの店の周り100周だ!!」
「えぇぇぇ!?」
オトコヤマはニッコリと笑うとイッキの肩をポンポンと叩いた。
「ははは!冗談だ、冗談。元気そうで何よりだぞ、天領。」
「全く…。」
「へへへ。この先生の前じゃイッキも形無しだな。」
「うるさいぞ、メタビー!」
「相変わらずだねぇ、あんた達は。」
「むっ…その声は。」
イッキとメタビーがそちらへと目をやると、そこにはキクヒメ、カガミヤマ、イワノイというかつてのスクリューズの面々が並んで座っていた。
「親びん、あいつらに成長なんて無理な話ですぜ!」
「そうそう。歳食っただけのガキですからね。」
「ふふ、そうだったね。」
「なにをーーー!!」
イッキとメタビーはスクリューズのテーブルへと行くと、三人を睨みつけた。
「お前らこそその態度の悪さとかぜんっぜん変わってないな!」
「ほう。言ってくれるじゃないか。」
「親びん、けちょんけちょんにしてやりましょうぜ!」
イワノイがそう言うと、キクヒメがイワノイの耳を引っ張った。
「いい加減その親びんってのはやめな!あとどうせけちょんけちょんにされるのはあたしらだろーが。」
「あっ、そこの自覚はできたんだな。」
「やかましい!!!」
その場にいる全員が一斉に大声をあげて笑い声をあげた。
「本当に相変わらず元気そうで安心したよ。」
「お前らもな!」
イッキとキクヒメは互いにニッコリと笑った。
そして、カガミヤマがメタビーの頭をポンポンと叩くと言った。
「メタビーのこのパーツも懐かしいなぁ。同窓会仕様か?」
「はは。まぁそんなとこだ。」
すると、アリカが咳払いした後、イッキ達に言った。
「はいはい!盛り上がってるとこ悪いけど、イッキは早くお酒の注文してちょうだい。乾杯出来ないじゃない。」
「あっ、そうだった。ビールで!」
「俺はオイルで!」
「そんなもん居酒屋にはないわよ!!ビール一つお願いしまーす!」
アリカが店の奥の店主らしき人へと叫んだ。
「久しぶりね、天領君。」
すると、オトコヤマの隣りに座っていた女性がイッキに向けて手を振った。
「も、もしかしてマスミ先生!」
そう、それはかつてのイッキ達の音楽の教師マスミだった。
「マスミ先生、なかなか会えなくて直接言えてなかったけど…出産おめでとう!!」
「ふふ、ありがとう。」
マスミは10年前にリククモと結婚し、一年前に二人目の子供を出産していた。
「なぁなぁ、ずっと気になってたんだけどよ。リククモさんにどんなプロポーズされたんだよ!」
「えっ、今更そんな…。」
「ずっとメタビーと俺で話してたんですよ。あの内気なリククモさんがどんな言葉を言えたんだろうなって!!リククモさんに聞いても恥ずかしがって教えてくれないし。」
「勿体ぶらず教えてくれよー!」
「ビールとお通しのタコの塩辛お待たせしましたー。」
居酒屋の店主らしき人物がビールとタコの塩辛をイッキの前にぶっきらぼうに置いた。
「ありがとうございま…ってあーーーー!!!」
「お、お前はロボロボ団幹部、シオカラ!!!!」
「今はシオカラじゃないぞ。一居酒屋店主、シオカライゾウだ。」
シオカラはそう言うとニッコリと笑った。
「久しぶりだな、小僧!サービスはしてやらんがゆっくりしていけよ。」
シオカラは笑いながら厨房へと戻って行った。
「なるほど…。店名にも納得がいったぜ。」
「しかし誰がこの店のチョイスを…。」
「俺だ。この店の塩辛は格別だからな!」
オトコヤマはそう言うと、ガハハと笑った。

大人になると子供の頃に分からなかった色々なことが見えてきてしまう。
イッキとメタビーはこの時に全てを理解した。
マスミにリククモのことや子供のことを話しづらくする為に、オトコヤマとシオカラが結託してこの居酒屋で同窓会を行わせたのだと。


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