>> メダロットライズ にもどる

RSSフィード ユメ か ウツツ か
   

日時: 2014/05/17 03:55
名前: あられ


『メダロット。それはテクノロジーが生み出した、全く新しいロボットである。

ティンペットと呼ばれる基本フレームに、人工知能メダルを搭載。

さらに様々なパーツを合体させることによって、無限の能力を引き出すことが出来るのだ!!』

©アニメ版メダロットOPナレーション





メダロットが流行ったのは何年前のことだろうか。

アニメは全部見たし、ゲームも全部やった。
クールなロクショウに憧れて、選んだのは全部クワガタver.だったなあ。
従兄弟がメタビー派でカブトver.だったから、パーツ交換したりして盛り上がったっけ。

でも、今となっては昔話にすぎない。
地元の中学、高校に進学して、大学は上京して一人暮らし。
なんとなくサークルに入って、普通にバイトして、初めて女の子と付き合ったのは1年生の夏だったかな。

酸いも甘いも、いろんなこと経験しちゃったりなんかして、でも1年くらいで別れちゃって。
友だちと旅行行って、飲み明かして、就活して、卒論書いて。

すっかり大人になってしまった俺は、メダロットのことなんかすっかり忘れていたんだ。





でも。

まさか、あんなことになるなんて。

いったい、これは………





不定期更新。
いろんな思い出に浸りながら、
のんびり筆を進めていきたいと思います。
乞うご期待。

(物語の都合上、初期設定を変更しました。)



ユメ か ウツツ か ( No.1 )
   
日時: 2014/05/17 03:58
名前: あられ


*プロローグ『ユメ』





「ふう…」

とりあえず一安心、といった様子で男が一人、ダンボールで埋め尽くされたワンルームの部屋の真ん中に佇んでいる。

「四年間、あっという間だったな」

どこか寂しげな表情で、男は部屋の全体を見渡す。
…と言っても、所詮はワンルーム。その広さはたかが知れている。

どうやら引っ越しの準備をしていたようだ。
彼の名は乾 爽(イヌイ ソウ)。
首都圏の大学に通う、典型的な大学生である。
来春から、晴れて社会人になる4年生だ。

プルルルルル、プルルルルル

「あ、父さん?」

『準備できたか、爽』

「うん。今終わったとこ」

『そうか。あと30分くらいで着く』

「わかった。じゃ」

ピッ

父との電話を終え、爽はもう一度部屋を見渡した。
部屋と玄関を交互に見て、何かに気づいたようだ。

「いくつか玄関の方に移動させておくか」

そう言うと爽はおもむろに動き出し、中身の入ったダンボールたちを玄関へと移動させる。
ダンボールには【衣類】【食器】【本】など、綺麗な文字で中身が書かれている。

「あれ、このダンボール何入れたやつだっけ」

2つ、3つほど運び終えた爽の目に入ってきたのは、何も書かれていないダンボールだった。
おかしいな、と首をかしげ、しぶしぶダンボールを開けて中を見ることにした。
すると、中には気泡緩衝材(いわゆる、プチプチ)に包まれ厳重に保管されている“それ”があった。

「あ、これ!」

地元から上京して一人暮らししていた爽は、夜に一人で家にいるときに何もすることがなかったため、実家の母に電話して、昔自分が遊んでいたゲームをいくつか送ってもらっていたのだ。
しかしそれからと言うもの、大学の課題やサークル、バイトなどに追われる日が続き、ついにはそれに手を触れることなく4年間が過ぎてしまっていたのである。

中にはゲームボーイアドバンスとDS LiteとPSP、そしてそれぞれのソフトが数本入っていた。
小学校入学時に両親にゲームボーイポケットをもらってから、爽の生活にはいつもゲームがあった。
実家はマンションの一室だったが、その1階にはソファーとテーブルが設置された談話室のようなスペースがあり、同級生たちとゲームをして遊ぶときはいつも決まってそこにいた記憶がある。

「懐かしいなあ。時間あるし、ちょっとくらい良いか」

爽はいくつかゲームを取り出し、電源をつけてみることにした。
本人は全く気づいていないが、爽の顔からは自然と笑みがこぼれている。
誰しも、子どもの頃の楽しかった思い出に浸るときはついつい笑ってしまうものだ。

ひたすらゲームの電源を入れては消し、入れては消し、の繰り返し。
そしてあるソフトに手をかけようとした瞬間、爽は目を見開いた。

「…メダロット」

一瞬で過去の記憶がフラッシュバックしてくる。
1〜5、G、navi、自分がプレイしたゲームは全て共通してクワガタver.だった。
アニメで見たイッキとメタビーのアツい友情を目の当たりにし、なぜだか“メタビーはイッキの相棒”というイメージが拭えず、カブトver.にはどうしても手が出せなかったからだ。

爽が最初に手に取ったのは【メダロット2】。
それまで見ていたアニメと同じキャラクターを扱うことができることに興奮し、ドハマりした爽は従兄弟や友だちと協力して全てのパーツを集めるまでやり込んだほどだ。

カチッ

「…あれ」

カチッ、カチッ

どうやら電源がつかないらしい。
それまでは普通に動いていたのに。

フーーーッ

ソフトの金属端子部に息を吹きかけて埃を取る。
ゲームボーイのソフトが動かないとき、多くの人がこれをやったことだろう。

しかしこの行為は、息に含まれる水蒸気によってサビを促進させてしまうらしく、本来あまり好ましくない行為なのだ。
みんなは気をつけてね!!

気を取り直してもう一度電源をつけようとする爽。
時計を確認すると、さっきから20分ほどが経過していた。

父親が迎えに来る前に自分が出かける準備もしなくてはならない。
これで最後、と自分に言い聞かせ、電源を入れる。

カチッ、ピコーン

「なんだ、つくじゃん」

と言った刹那、画面が眩い光を放つ。

「なっ…」

爽は咄嗟に目を瞑る。
突然気分が悪くなり、吐き気を催す。
頭の中がグワングワンと、謎の頭痛に襲われる。

次の瞬間、爽は意識を失った。


投稿フォーム

※ 投稿時の注意

■まれに書き込みに失敗し、書き込み内容がすべて消えてしまうことがあります。
 そのため、投稿ボタンを押す前に、必ず文章をコピーしておくことをオススメします。

(※)のある項目は、必ず入力してください。

タイトル(※) スレッドをトップへソート
名前(※)
E-Mail
パスワード (あとで作品を修正する場合に必要)
作品文章(※)
投稿用キー(※) ※スパム対策を導入中です。投稿時は【かきこみ】のひらがな4文字を入力して下さい(コピペ可)

   クッキー保存 (学校や満喫等の共用パソコンの場合、チェックを外して下さい)