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日時: 2016/05/01 21:02
名前: ランド

                            STORY

 どんな物語にも主人公がいる。サブキャラクター、そしてモブキャラクターを骨格とし、その頂点に主人公が存在する。
この仕組み、役割に対し、劇中の人物は誰も疑問を感じないし、気付かない。
だが、このシステムを少しイジったならばどうなるのか。
これは、この疑問に気付いたモブキャラクター達による物語である。


一言
 初めまして、ランドと申します。
小説を書くのがド下手な自分ですがしばらくお世話になるのでよろしくお願いいたします。
 舞台としてはゲームの世界を基本ベースにしてますが、キャラクターはアニメの方もポンポン出てくると思いますのでそこだけ御了承を。
 序盤は展開が遅くなるので、ダラダラ読んで頂ければ幸いです。それでは、失礼します。


第1話「背景」 >>1
第2話「平穏の狂気」 >>2
第3話「招き手」 >>3
第4話「月形とユキ」 >>4
第5話「マネートラブル」 >>5
第6話「白への道連れ」 >>6
第7話「忘れられた友に」 >>7
第8話「ストレートフラッシュ」 >>8
第9話「仲間か友か」 >>9
第10話「誰がために鐘は鳴る、か」 >>10
第11話「対 久我二郎」 >>11
第12話「咆哮する平時」 >>12
第13話「月を行きて候」 >>13
第14話「アフターフォロー」 >>14
第15話「ジャンキー」 >>15
第16話「新たな仲間」 >>16
第17話「兵どもが夢の・・・」 >>17
第18話「MJC」 >>18
第19話「暴君、伴沖次郎」 >>19
第20話「凡愚達の挽歌」 >>20
第21話「悪の入り口」 >>21
第22話「伴闘会」 >>22
第23話「Crow to Darkness」 >>23
第24話「MJC春季予選大会開幕」 >>24
第25話「AM9:50 NHT放送局より」 >>25
第26話「対 久我二郎 2戦目」 >>26
第27話「道化への岐路」 >>27
第28話「俺の名を見たか」 >>28
第29話「対 ツユクサカオル」 >>29
第30話「雨も浴びぬ敗者に」 >>30
第31話「物ノ怪」 >>31
第32話「ロッシュ 対 辛口コウジ」 >>32
第33話「閉幕の春」 >>33
第34話「久我の冒険」 >>34
第35話「老兵は牙を剥く」 >>35
第36話「浄」 >>36
第37話「terrorism」 >>37
第38話「流星」 >>39
第39話「闇を恋い焦がれし」 >>40
第40話「合宿地獄一本道」 >>41
第41話「桐に鳳凰」 >>42
第42話「メンドーサ・ライン」 >>43
第43話「老馬の智は道を示すか」 >>44
第44話「動中の静を彼方に」 >>45
第45話「BSoD」 >>46
第46話「久我の挑戦」 >>58
第47話「そして、夜が笑う」 >>59
第48話「この星の条件」 >>60
第49話「復讐鬼と母」 >>61
第50話「雪解けの月」 >>62
第51話「黒い勇気」 >>63
第52話「結末逃避行」 >>64
第53話「42番が冷気を呼ぶ」 >>65
第54話「一葉落ちて天下の秋を知る」 >>66
第55話「Strike Memory」 >>67
第56話「怒り」 >>68
第57話「暗い世界で、男が二匹」 >>69
第58話「MJC秋季予選大会開幕」 >>70
第59話「強いられた死闘」 >>71
第60話「対 ヒョウガ」 >>72
第61話「アセビ 対 ホマレ」 >>73
第62話「持たざる者達」 >>74
第63話「アセビ 対 飛鳥」 >>75
第64話「久我の死線」 >>76
第65話「切り札」 >>77
第66話「対 如月ユア」 >>78
第67話「崩壊の望み」 >>79
第68話「螺旋」 >>80
第69話「お月様と雪ん子」 >>81
第70話「4つの願い」 >>82
第71話「対 紅面ユキ」 >>83
第72話「レッドカペロの純」 >>84
第73話「勝利への悲鳴」 >>85
第74話「君と黒へと行けたら」 >>87
第75話「廻転」 >>88
第76話「Half Sorrow」 >>90
第77話「夢との別れ」 >>91
第78話「New Party」 >>92
第79話「夕飯達の謀反」 >>93
第80話「とある久我家」 >>94
第81話「業苦の眼差し」 >>95
第82話「花子、始まりを見る」 >>96
第83話「Heads or tails」 >>97
第84話「ターニング・イレブン」 >>98
第85話「頂点を掌握せしは人かモブか」 >>99
第86話「岸は沖にて真に雅やかな女を見る也」 >>100
第87話「銃と剣」 >>101
第88話「その声達」 >>103
第89話「MJC冬季予選大会開幕」  >>104
第90話「その男、立花リュウに」  >>105



第87話「銃と剣」 ( No.101 )
   
日時: 2015/05/15 20:17
名前: ランド


 現在時刻、午後12時17分。
場所はいつもの如く、ロボトル練習場。岸の発熱からちょうど二日後の今日、
容態回復した岸を含めた久我、花子の3人は相も変わらず練習に
励んでいた。周りにいたメダロッターが徐々に減っていくのに気付いた3人は、
ようやく時刻がお昼になっていることに気付く。
それほど、3人は集中している状態。空腹という概念も、お昼という認識
が無ければ全くというほど感じることは無かった。
汗をタオルで拭きながら、ベンチへと戻る岸。相棒のフライイーグルと何やら
先ほどの練習についての相談をしながら戻ってくる久我。
そして、唯一の紅一点の花子は、二人よりも早く、駆け足でベンチへと戻る。
慌てた様子で、自分のカバンをゴソゴソと掻き回す。何かを見つけたのか、
花子は笑顔で、戻ってきた久我と岸にある物を差し出した。

「はい、久我師匠、岸さん!
 努力と正義が詰まった手作りのお弁当です!」

 意外や意外、花子が二人に差し出したのは手作りのお弁当。
これには驚きの反応を示す二人。何処か男に寄った感じの
性格の、そういう女子らしい事とは無縁だと思えた花子だからこそ、
二人は反応した。練習の疲れも吹き飛ばし、笑顔になる岸。
少しは反応したものの、すぐにフライイーグルのメンテナンスに取り掛かる久我。
花子はそのそれぞれに、自分の作ったお弁当を手渡した。

「はい、これは岸さんの分です!」

「さすが花子ちゃん。
 できる女の子は一味違うぜ!」

「こちらは久我師匠の分ですっ」

「いらねぇ」

 満面の笑みでお弁当を受け取る岸とは正反対に、まったく見向きもせずに
突き除けてしまうは、久我。花子に拒絶の反応を示すと、特に
悪びれる様子も見せることなく、再びメンテナンスへと意識を傾ける。
少々気まずいながらも、フライイーグルは黙って、久我のメンテナンスを受ける。
しかし、花子はここで引き下がるような性格ではなかった。
腐っても、中身はあの意地の悪いミツバチ。全くの罪悪感の無い久我の態度に
カチンと来たのか、すぐ様言葉を切り返す。

「(こんなかわいい乙女のお弁当を突き返すなんて、
 あっちの気があるのかね、久我君はっ!!)
 お、お体が何処か悪いのですか?」

「今日は一週間に一度の、体調不良を想定した練習日だ。
 飯を食べれない状態でも集中力を持続させるために、
 今日は一切、何も口にはしない」

「(悟りでも開くつもりなのかい)
 で、でも、せっかく作ったので」

「だからいらねぇ」

「じゃあ、お持ち帰りしてもらって、明日の朝でも・・・」

「!
 聞こえねぇのか、この女っ!!!」

 花子の執拗な催促に、ついにキレてしまった久我。花子が差し出していた
お弁当を薙ぎ払い、地面にぶちまけてしまう。言葉を失ってしまう一同。
和やかだった雰囲気が一気に最悪のものへと。ただの不機嫌から久我が
花子にこのような態度を取ってしまったのではない。大会が近付いているという
焦燥感と、緊張感が、久我の負の力を増幅させていた。
今度こそ勝たなければならない、冬季予選大会。残れなければ自分は消える。
そんな生き死にを賭けた試合が近づいてきているからこそ、久我の
精神は、尖らざるを得ない状況に陥っていた。
しかし、さすがの久我もこれはやりすぎたと感じたのか、何処かバツが
悪そうな顔をして、トイレへと向かってしまう。
その後ろ姿を、誰に気付かれぬよう睨みつける花子。

「(あの修行僧めぇ。
 せっかくアタシがアンタのために用意した、
 特製の・・・)」

「気にするなよ、花子ちゃん。
 花子ちゃんが作った魂の料理は、この男、岸真が
 引き受けるぜ!」

「あっ、ちょちょ、岸さん!
 (それは久我を地獄へと突き落すための・・・!)」

 花子の気持ちを察してか、地面にばちまけられた弁当に手を伸ばす岸。
友を、ましてや女の子に対しては人一倍に気を使う岸ならではの優しさ、の
ハズだったのだが。その数秒後、あまりの辛さで、声も出せずに
地面にのた打ち回ることとなるのであった。


 それから40分後。
未だに岸はトイレから帰ってくることは無かった。一人、久我への
特製激辛弁当差し出し作戦が失敗したことに落ち込む花子。
そんな花子の隣に、誰かが腰を掛けてくる。それは久我であった。
フライイーグルのメンテナンスを終えた久我は、ペットボトルを片手に、
一休憩入れるためにベンチへと戻ってきた。
先ほどの出来事からか、花子の方もどう言葉を切り出していけばいいか分からない。
下手に言葉をかければさらなる逆鱗に触れ、久我との接触の機会を
減らすことになってしまうかもしれないからだ。
そんな様々な憶測が飛び交い、二人は何も言わず、語らず、沈黙を続けていた。
その空間を破ったのは、この男。

「こんな野郎に誰が共感するんだろうぜ」

「(ビックリしたぁ、いきなり何なのこの男は)
 な、何です、久我師匠」

「女の弁当投げ飛ばす奴なんざ、
 誰が共感するかってんだ」

 とっさに、花子は久我の方向を見つめる。そこには、いつもの久我がいた。
特に悲壮感も漂わなければ、決意の表情にも見られない。ただ、
いつもと同じように、厳しい表情の久我がいた。
そんな久我から発せられる、本来花子には意味不明な言葉。だが、久我は
あえて花子に話した。自分の意志を、価値観を、花子に。

「つくづく性根が端役だぜ。
 体が勝手に小物くせぇことしやがる」

「(全力同意。
 アンタが主人公だったら、絶対アンチになるし、アタシ)
 一体、どうしたんですか、久我師匠」

「何でもねぇ。
 ただ・・・」

「ただ?」

「・・・もう俺の弁当なんざ持ってくるな。
 昨日だって、今日、いや明日もそうだ。
 カレーを食べたのか、ラーメンを食べたのか、うまいのかマズいのかも思い出せねぇ。
 今何を食べたいのかすらもよく分からなくなっちまった。
 もう、腹は一杯だ」

 そう言うと、久我は再び練習場へと向かってしまう。これが、彼なりの
花子への詫びの入れ方なのだろう。素直に「ごめん」と言えない所が
久我らしいと言えば久我らしいのだが。その辺りの事情は、花子の方も
それとなく察していた。そして、少々驚いてもいた。わずかばかりの期間ではあるが、
久我と何時間も共に過ごしてきた身。久我のその強情で、ストイックな性格は
理解できているつもり。その久我が、初めて見せる、謝罪とも取れる表現行為。
なぜ久我がこのような態度を見せるのか。それは、久我が、徐々にでは
あるが本来の「人」を取り戻しているのかもしれない。
いや、取り戻そうとしているのかもしれない。目標である、「主人公」になるために。
自分の理想となる主人公になるために。
岸や、花子と接していくことで、久我は変わろうとしているのかもしれない。



 同時刻、場所はイセキらがアルバイトを務めるメダロットショップ。
御昼時ということもあってか、店内には客は一人もいない。
それどころか、アルバイトであるイセキも倉庫裏でサボっているため、
実質店内は空の状態。そんなショップ内に、自動ドアを通って誰かがやってくる。
キャップ付きの帽子を、顔を隠すかのように深く被り、店内に
誰もいないのを確認すると、一つ安心したように息を吐き出して歩き始める。
不審な動きを見せるこの少年こそ、まさに月形一徳本人。
どういうわけか、月形はイセキとロッシュが働く、いや自分が元働いていた
メダロットショップを訪れていた。彼らとは袂を分かった身であり、
本来はまず出会うことはしたくないハズ。
だが、月形はここにきた。とある事を成し遂げるために。
月形は店内にとある入れ物があるのを確認すると、今度は目線を別の方向へ向け、
何処か懐かしむかのようにケースに飾られているメダロットを見つめる。

「(これは、KWG型ドークス。
 こいつを最初に選んでいたら、僕はどれだけ・・・)」

 ケースの先には、一式1万円の札と共に飾られていたKWG型ドークス。
対応力に優れており、月形が主戦場とする純正単機ロボトル以外の
3on3でも使用されることは少なくない。とは言っても、単機戦と比べて
3onでは純正で臨む必要性が限りなく少ないため、それほどお目にかかることは無い。
何処か羨望と、そして黒い憎しみの視線をドークスに向ける月形。
そんな彼の元へ、ゆっくりと何者かが近づいてくる。

「お客さん、
 どーしてもそのメダロットが欲しいのかい?」

「!」

 声の方に顔を向けると、そこには腕を組んだイセキが立ち尽くしていた。
幸い、まだイセキは彼が月形だということに気付いていない様子。
その証拠にすぐさま、近くにあったメダロットのカタログを
手に取って中古のドークス一式の値段を調べ始めてしまった。
これがいつものイセキの客に接する対応。それを見て、月形はひとまず
自分の正体がバレていないと安堵する。だが、次の瞬間には、
グズグズしていられないという焦燥感に駆られる。
イセキがカタログに気を取られている隙に、月形は当初の目的としていた
とある入れ物の場所を目で確認する。

「メダロットの好みは人それぞれだからな。
 見た目で選ぶのも良し、性能で選ぶのも良し」

「(そういえば、僕は安いものを選んだんだ。
 安くて、強そうなメダロットを・・・ユキりんと一緒に)」

「まっ、どんなメダロットを選んだとしてもよ、
 きっとおまえさんの良い相棒になってくれるハズだぜ」

「(・・・そうだ。
 途中でシンセイバーが勝ちづらいメダロットだって分かっても、
 それでも、それで勝った時がうれしくて、楽しくて。
 頑張っている自分が、トラが、好きで・・・)」

「で、坊主は一体どんなメダロットが欲しいんだ?」

「!
 ぼ、僕は・・・僕は・・・」

「?」

 イセキの一言に、逃げようとする足の第一歩が止まってしまう。
その言葉に、一瞬、意識を失ってしまうほど。
どんなメダロットが欲しいのか。自分が所有しているシンセイバーは、
トラは、本当に欲しいメダロットだったのか。
あの時選択した決断は正しかったのか、そう尋ねられているようで
素直に言葉を返すことができなかった。月形の右手が、震える。
その拳にはその問いの答えが詰まっているから。
何も答えが浮かばないまま、月形は口よりも先に足が動いていた。
そして、その右手の答えをとある入れ物に放り投げて、月形は問いに答えた。

「(みんな強いメダロットを使って、楽をして勝っている。
 僕の数時間の努力が、彼らにとっては数十分の練習なのに。
 妬みなんだけど、嫉妬なんだけど、くやしさなんだけど。
 僕はもう、その不条理が、不公平が、安直さが、欲望が許せなくて・・・。
 僕は・・・僕は・・・)」

「どうした?」

「僕は、僕は卑怯なメダロットが欲しいっ・・・!!」

 月形は急に駆け出し、店から飛び出てしまう。
その後ろ姿を唖然とした表情で見つめるイセキ。イセキからしたら
何が何やら分からない。結局、最後の最後まで彼が月形と分からなかったのだから。
月形の気持ちは一杯一杯であった。勝ちたい、生き残りたいという
信念のままに、ひたすらにトラと共に伴の元で特訓を重ねた日々。
だがどうしても、強メダとされる上位陣には不利は隠せない。
例え月形自身、トラ自身のレベルがわずかに相手のその上をいっていたとしても、
性能差で覆される世界。学んでいくうちに、痛いほどその現実を目の当たりにした。
だからこそ、決断した。愛情だけでは、愛着では、友情では足りない
勝利への数メートルを埋めるために。何の感情も持たず、勝てるメダロットを
使用をする彼らへの怒りを込めて、月形はここに来るしかなかった。
そして、いつかイセキも気づくであろう。この少年が月形であることに。
この入れ物、「忘れ物BOX」に月形が入れた、マネーメダルを見つければ。
トラの命が刷り込まれたマネーメダルを起動さえしてくれれば。



 それから12分後。
ようやくグッタリとした表情の岸が、光あたる場所へと戻ってくる。
それを確認した久我が、腕時計を一度確認し、花子と岸を呼び集める。
これから午後の練習に移るのであろう。

「午後は実弾を使った練習をする。
 練習用のパーツから、実戦用のパーツに入れ替えておけ」

 普段、コストの問題からかパーツ破損が生じないように練習用の
装備でロボトルを行っていた3人。しかし、いつまでも実弾を使わぬ戦闘を
繰り返していても、向上は無い。よって、2、3日に一度、彼らは
パーツ破損を了承して、より本番に近いロボトル練習を行っていた。
久我に指示され、各々練習用のパーツを取り外し、実践用のものへと組み替える。
その最中、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる者が一人。

「(ようやく来たわ、この時が。
 わざわざ久我の家まで行った甲斐があったってもんよ。
 バレないように細工するのは大変だったけど、
 うまくいけば・・・!)」

 その正体は花子。実は花子は、岸の看病で久我家を訪れた際にとある細工
を行っていた。いや、本音を言うと、岸の看病などどうでも良かった。
この細工こそが、久我の家を訪れた最大の要因。
そして彼女は、この実践装備でのロボトル練習の時こそ、その芽が開花するのだと
確信していた。彼女が仕掛けた細工とは、一体何なのか。
そんな企みも知らず、久我は岸と共にロボトルを行う。

「(やはり接近特化機には、ミサイルを置くのが無難か。
 立ち回りを一方的に崩せるのは大きい)
 イーグル、リークハンドルで敵機周辺を攻撃!
 闇雲に撃つな、相手を四隅に追い詰めるようにだ!」

 久我が行っているのは、相手に命中させるためのミサイル攻撃ではなく、
相手の誘導、そして行動を先読みした「置き」と呼ばれる攻撃。
相手を直接狙うのではなく、地道に相手を束縛していき、詰んだ状態に
一気に攻めるという基本的な攻撃手段。特にこの戦法はフライイーグルと相性が良かった。
まずフライイーグルが飛行型というのが抜群。相手が格闘及び脚部が地上戦用ならば、
早々こちらに近づくのは容易ではない。阿呆のようにミサイルを連射していても、
相手が3流程度なら勝てる組み合わせ。問題は2流や1流を相手にした時。
必ず上級者は、こちらの放熱という隙を狙ってガン攻めしてくる。
故に、ミサイルを撃つという行為を、絶対に無駄にしてはいけないのである。
1発の無駄球が命とり。だからこそ、ミサイルを相手の誘導、置き攻めに使用し、
相手に好き勝手させないようにする必要がある。
実はこれが相手にとってかなり効果的。事実、相手はこちらに向かってミサイルを
撃ってきていると予測し、動いているのだから、まさかミサイルを置きに行っている
とは最初は予想できない。つまり、二択を迫られるのだ。
「こちらを狙ったミサイル」なのか、「置きによるミサイル」なのか。
ここでかなりの優位をつける。
この戦法を完璧なものとするため、今日も久我は置きによるミサイル攻撃の
精度を高める。相手の行動パターン、思考パターン、どういった展開でどのような
判断を取るのが確率的に多いのか。それを見極めようとしていた。
その時である。



 リークハンドルを撃とうとしたその刹那の出来事である。
フライイーグルが爆音と共に、爆発してしまう。
黒煙が立ち込める空中。久我は目を丸くして、叫んだ。

「い・・・イーグルーーーーーっ!!!」

 久我の叫びに口元を緩めるは、花子。
これを狙っていた。そしてフライイーグルは、1mmも動かずに
コンクリートの地面に叩き付けられる。


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