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RSSフィード 【白ツツジと腕のなか】
   

日時: 2016/01/08 01:27
名前: 通りすがりのコンビニ店員





 ※ 絶 賛 改 稿 & 不 定 期 更 新 中 ! ! 





●必読!! 注意事項! 警告!●
 1、ロボトルなにそれ美味しいの?状態です
 2、更 新 不 定 期 (時たま更新してるレベル)
 3、マンガ、ゲーム。及びアニメの『メダロット』という作品を完全無視したオリジナル設定で成り立っている
 4、オリジナル設定→科学が発達した『現代』ではなく、文明が未発達の異世界の『古代』にてメダロットが発掘された
 5、もはや何度目かもわからない改稿(ごめんなさぃいいいいい!でもこれでラストですから!!! 本当に!!)


【白ツツジと腕のなか】


 異世界での物語り。
 一つの大陸に、東西南北、四つの大国があった。
 北国は寒冷な気候で作物が育たず、更に災害も多い。しかし連なる山は鉱山であり、鉄が採取される。
 南国は台風や洪水という災害こそ多いが、それを上回る恵みがもたらされる豊潤な土地。大陸一の大国。
 西国は気候が安定し災害も少ない。南国ほどではないが作物もよく育つ。領土は広くないが、もっともバランスが取れている。しかし技術面で他国に劣る。
 そして、東国――名をオリエント国。
 西国と同じく気候が安定し災害も少ないが、土地が悪い。作物が細々としか育たない。しかし技術面で他の三つの国を凌駕している先進国。遺跡より『メダロット』を発掘し、独占している。


○彼女と彼らに纏わる目録○


 始まりですらない手始め
 >>1 <ミタンニーナ>彼女の決めた幸福は彼女を決して幸福にしない。

 故意に置かれた石
 >>2 <シュピルマツ> 愚かなほどに気高くあれ。
 >>3 <サザン> 北の将軍は冷たい女王陛下にひれ伏して、剣をとる。



Re: 【白ツツジと腕のなか】 ( No.1 )
   
日時: 2015/12/24 13:27
名前: 通りすがりのコンビニ店員



 彼女の決めた幸福は彼女を決して幸福にしない。



<ミタンニーナ>



「皆殺しにしたいの」

 幼い少女は端的に述べた。

「薄汚い貴族。愚かなメダロット。忌々しい王妃。その血を継ぐ兄弟。母を見捨てた父。あの事件に関わったもの全てを、皆殺しにしたいの」

 少女を囲む大人たちはその言葉の意味を咀嚼し、息を呑んだ。幼い彼女はこの国の王女だ。それも第一王位継承権ではなく、第二王位経書権の持ち主。父親は玉座につく者。その上で、彼女はいま何と言ったのか。何をしたいと提案したのか。正しく意味を理解して、息を呑む。否定の言葉が欲しかった。

「それはいいですなぁ」

 少女に応えたのは年老いた男だった。刻まれたシワは深いが、纏う雰囲気は若々しい。装飾を施した服を着た大人たちのなか、彼だけは動きやすそうな軍服を着ている。もっとも布地は見るかに上質なものなので、どっちにしろ金は多大にかかっているだろう。贅を凝らして作られたそれらの服は、彼らが市井の出でないことを示している。それもそのはずだ。彼らは王宮に踏み込むことを許された一部の者であり、その中でも王族に謁見することを許された、特別な者たちだ。

 最も、それは今までの話だ。

 第二王継承権者の母親、王の寵愛を得ていた側室第一夫人が不幸な事故死を遂げた今、後宮で幼い王女を守れる者はいない。遠くないうちに彼女も不幸な事故に見舞われるだろう。もしかしたら今日にでも恐れている事態は起きるかもしれない。そうなれば、彼女の歩く道に玉座を見出し、擁護していた彼らに待っているのは、ひどく簡潔な未来だけだ。


 現在行われているのは秘密の話し合いである。
 これから待っている最悪の未来をどう打破するか、のための、悲壮な話し合い。
 後宮において最大の権力を誇っている王妃相手に、唯一対抗できていた寵姫を失った時点で、誰がどう考えても打つ手はすでにない。回避不能な絶望的な未来。うな垂れだす大人たち。
 そんな折に、黙していた王女が口を開き、言葉にしたのが、最初の言葉である。


 ――皆殺しにしたい。


 現状にそぐわない、馬鹿らしい言葉だった。
 相手を殺す殺さない以前に、こちらが先に殺される。どう抗っても、何もしなくても、我々は殺される。
 笑ってしまいそうな言葉だ。
 この王女は幼いながらに聡明だと有名だったはずなのに。
 否。聡明だと知ってしまっているからこそ、彼らは笑ってしまいそうでありながら、泣きたくなっていた。否定して欲しいとさえ願った。目の前の王女が、少女が、幼くも聡明な彼女が、本気で実行する気でいるのだから。


「手始めに王妃を血祭りに」


 これは命令だ。
 残念なことに、この場に集う彼らは正しく幼い王女の聡明さを理解していた。愚かにも側室の子である彼女に玉座を夢見るほど、彼女の賢さを理解していた。だから理解せざる得ない。彼女はこう言っているのだ。王妃を殺せ。手段はこちらで用意してある。ただ私の言う通りに従っていればいい。それが出来れば良し。失敗したときは――この場にいる全員まとめて死ぬだけだ。


 〝生き残りたいなら王妃を殺せ〟


 もし王妃を殺し生き残れたなら、彼女は次に貴族たちを殺すだろう。その次に王子たちを。その次にメダロットを。その次に――王を。この国の頂点に立つ王を弑し奉る。



 ここで頷けば、謀反への加担が決まる。



 王族殺しへの畏怖が、現王への尊崇が、彼らの首を縦に振らせない。だがこの場合は沈黙も了承と同義語だ。しかし首を横に振るのは、待っている〝死〟という事実がさせない。うな垂れた大人たちは黙して王女の命に従う。


 ひそやかな一室で、ニヤついた笑みを浮かべるひとりの老人と、多くのうな垂れる大人たちに囲まれて、幼い王女は満足そうに笑みを漏らした。




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