>> メダロットライズ にもどる
このスレッドはロックされています。記事の閲覧のみとなります。

RSSフィード 『マンホールに二次元世界』

日時: 2015/12/24 13:16
名前: 通りすがりのコンビニ店員


 絶 賛 更 新 停 止 中 。(再開の見込みなし)



 私たちのいる世界から、メダロットの世界へ。
 
 高校生主人公、兎想月ウサギちゃん(うそつき うさぎ)がおくるコメディ系小説です。


 ~世界観~


 メダロット(アニメ)の設定(メダロットはメダロ人が自らを機械に改造した姿)を引き継いだ、
 天領イッキ&ジャンアントメタビー VS Dr・ヘベレケ&マイケル&プリミティーベビー の決着から1000年後のお話です。


 ぶっちゃけ前半は設定どうのこうの関係ないのでノリで読んで欲しいです。
 長編はアニメを見てない方には少し優しくないです。
 できるだけわかりやすいよう心掛けていますが、不愉快に感じた方はごめんなさい。


 ~主要な登場人物~

 
 ●兎想月ウサギ(うそつき うさぎ)
  元不良で番長。可愛い系大人美人の18歳。髪の毛はくるくるロング。強気な瞳の持ち主。彼女の笑みは何者も屈服させる力がある。なんでもそつなくこなす。隠れた努力家。

 ●菊之内(菊くん、ソゾル)
  メダロット。スミロドナッド。常識があり基本的にクールな、頼りになるメダ。何だかんだで面倒見がよく、貧乏くじを引くことが多い。運も悪い。周りからのスルーされ率は異常。趣味はネット。


 ――16話以降に登場――


 ●ビィービ
  メダロット。プリミティベビー。赤ちゃんだけどじっちゃん喋り。一人称は「ワシ」。尾語は「~のぅ」。メダロットのくせにボケている(ちょっとした事情あり?)。よく迷子っている。

 ●デスト
  メダロット。ゴットエンペラー。ぽや~としている、草花を愛でるのが趣味の神帝。乙女チック。お人好し。
  ただし彼の慈しんでる花壇を荒らすと「ワガ マエニ タチフサガルトハ オロカナ……」という声が聞こえてくるぞ。
  地獄を見たくない方は、緑に優しくあることをお勧めする。
 ●ロイ
  メダロット。ビーストマスター。マンガ・アニメに精通している。考えるより行動派。要するに熱いオタク。
  「1+1=4」と即答する素晴らしい思考回路の持ち主。日本育ちなのに日本語も少々あやしい。要するにバカ。



*о○●*もくじ*●○о*


 >>1-3    ウサギちゃんと菊くんの出会い!マンホール編。

 >>3-15   友メダを救出せよ!VSリリコ嬢編。

 >>16-17   一息ついて昔の仲間の下へ。バカメダ三機合流編。

 >>18-20  『狩り』をめぐる問題!INホテル編。

 >>21-23  『家』を賭けた戦い!VS大家のおばちゃん編。

 >>24-30   作者完全フリーダム!カラオケ編。


 長編スタート!

 >>31-35   死にたがりのメダロット!ウォーバニッド編。

 >>36-    『メダ連』VSウサギ一家。メダ連編。(現在更新中)



Re: 『マンホールに二次元世界』 ( No.47 )
日時: 2012/10/01 16:17
名前: 通りすがりのコンビニ店員




 第四十三話『ダークラビット(2)』



 互いに準備が終わり、ブラックメイルとウサギは向かい合っていた。
 メダロットたちの戦いが繰り広げられるリングの上で、人間とメダロットが対峙している様は、どこかひっかかりを感じさせる奇妙な光景で――しかし交わされる鋭い視線は、戦いの場に相応しいもの。


ブラックメイル(……アレ……?)


 違和感がした。
 目の前に立っている美少女に別段おかしな点はない。あえて挙げるならば、十二月なのに半袖を身に着けていることと、腕まであるぴっちりした黒い手袋が目につくぐらいだ。


ブラックメイル(ん…………黒い…手袋……?)


 違和感が強くなった。
 ブラックメイルはウサギの手の部分を注視する。…と言っても、美少女は両手をスカートのポケットに突っこんで立っているため、手首から先は見えないのだが――


ブラックメイル(――あっ、これだ。違和感の正体。このカワイコちゃん……武器を持ってねーのな)


 鉄パイプか何か持っていると思ったのに、ウサギはなにも持っていなかった。
 いや、おそらく持って入るのだろう。
 制服のポケットの中に……。




 ブラックメイルがその事実に気づいたのは試合が開始される直前だった。
 ゆえに彼は深く考察することはできず、気づけなかった。
 あきらかに普通の手袋でない黒いそれに、ポケットに隠された武器。







 静まり返ったリング場で、審判役であるメイデンが静かに右手を上げ、
 ――振り下ろした。
「レディ ファイト!」
 人間とメダロットの戦いが始まる。




◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆







 ――――――――― 決着は一瞬でついた。






 ウサギという人間が突っ込んできたのを受け止めた瞬間、ブラックメイルの視界が暗転した。
 幸いにも暗転したのは秒にも満たず、すぐに覚醒する。わけがわからないブラックメイルは、跳躍して後ろに下がろうとし――


「逃がすか!」


 ブラックメイルの背中に何かが叩きつけられ、脳に激痛が走る。
「なっ、なにが……げはっ――!?」
 焦げ付いた匂い。襲い続けてくる激痛に全身が焼かれている。
「わからない? わからないの? なら教えてあげる」
 組み伏したブラックメイルの背中に馬乗りになった美少女が、刺していたそれを引っこ抜いて、黒ヤギの目の前に晒した。


                       ・・・・・
 小型で、手にすっぽりと納まるその黒い塊は――スタンガンだ。


「ふざけんなっ! そんなもんで――」
「――メダロットにダメージを与えられるわけがないって? 笑わせないで。精密機械が」
「……っ!!」
「機械ってのはね。悲しいかな。より高度に、精密になるほど壊れやすくなるの。――面白い話してあげよっか?」
「…なんだよ?」
「リミッターを外したメダロットが二機いた。その二機はロボトルをし、戦いは白熱した。ようやく決着がついた頃には両機とも満身創痍。そして、直後に雨が降った――」
「その話の続きなら、知ってるぞ」


 二機のメダロットは過激なロボトルでパーツを破損していた。
 その破損箇所に雨水が入り込み、運悪く電気経路に浸水。メダルへの伝達回線がショートし、二機のメダロットはメダルに直で感電してしまい、気が狂った。そして元には戻らなかった。
 リミッターの解除が一般でも行われるようになって、この手の『事故』は多発している。
 メダロットに課せられている三原則(リミッター)。第一条、『わざと人間を傷つけてはならない』。第二条、『人間に危険が降りかかるのを見過ごしてはならない』。そして第三条、『第1条と第2条を破らない範囲で己を守り、他のメダロットに致命傷を与えてはならない』――これによって守れていたはずのメダロットの〝弱さ〟が、浮き彫りにされつつあった。


ブラックメイル(くそっ。このカワイコちゃん、メダロットについてよく調べてんな……っ!)


 『事故』が多発するようになりメダロットの弱さが浮き彫りになりつつある。それでも世間の認識はまだまだ甘いのが現状だ。
 たった一箇所の傷でメダロットが壊れてしまうなど、誰も思っていない。メダロット自身でさえ、ほとんどの者は自らの脆さに気づいていない――気づいているとすれば、メダロットのことを本気で考えて、調べ、その〝弱さ〟にたどり着いたメダロッターぐらい。
ブラックメイル(ヤッベェ……オレ、負けるかも)
 戦ってわかることがある。
 目の前の美少女は間違いなくメダロットのことを大切にしている。
 『メダ連』に対して激怒し、危険をかえりみず自ら戦っているのも、たったそれだけの理由だ――
 ――だからこそ、ブラックメイルにとって最悪の敵だった。
 メダロットを大切にしているメダロッターほど、メダロットに熟知している者はいない。
 そんな敵を相手にして、手加減して戦える力はブラックメイルにはない。
 予想していたシナリオの中で、一番嫌なパターンだった。


「――精密機械は壊れやすい。会長サマはどれぐらい耐えられるのかなぁ?」


 ウサギが笑って、再びブラックメイルの背中に黒い塊をぶっ刺した。
美しく優しげに見えるのに、ひどく残酷な笑み。悪魔の微笑み――というヤツかもしれない。
 ブラックメイルは絶叫をあげた。


「痛い痛い痛ぁああああああああああああああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」


「このスタンガンはね。特別製。先端がティンペットと同じM合金で出来てるナイフで、そこから電流が流れる仕組みになってるの。まったくもってこの世界は凄いね。ナイフとスタンガンで、こんなオモチャが出来るんだから。あっ、もちろん使用してるスタンガンは人間用のじゃなく、パソコンとか機械の回線焼き切るようなヤツだけど」


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁああああああああああああああああ――――――――――!」


「聞いてないかも知んないけど、私けっこう感謝してるんだ。おかげで思い出したから――弱ければ、奪われる。壊される。長いこと平和ボケしてたから、こっちのスイッチ入れるなんて久しぶりだけど――いや、ブロッソの時も入れかかってたかな? あの時は先手取られて危なかったけど――教えこんでやる。お前が誰にケンカを売ったのか」


「あぁ……ぁ……あ…ぁ」


「奪われた私に責任があるように、奪ったお前にも責任がある。けど――命乞いをしなさい。そうしたら、許してあげる」


 ウサギは、ブラックメイルが気絶する直前で、刺している電流ナイフを抜いた。仰向けになるよう、足蹴りして転がす。


「ぅあっ……」


「私の仲間を返しなさい。自分の負けだって宣言しなさい。全て許してあげるから」


 痛めつけてくるウサギの、始終絶えることのない微笑み。
 悪魔の――もしくは、蹂躙する支配者の笑み。優しげで、残酷な、全ての者を屈服させる凶悪な笑顔。
 真下から見上げていたブラックメイルは、恐怖に息を呑んだ。
 従わなければ殺される。
 逆に 従えば全てを許される。
 逃れられない激痛から解放される。
 強烈な誘惑が、ブラックメイルを襲った。
「ぅぅうっ………」
 同時に恥の気持ちがこみ上げる。『メダ連』会長でありながら何て様だ。人間1人に縋るなんて――そう、いっそのこと本気を出してしまえば。メダロットの力を振るってしまえば――勝てる。勝てるんだ。
 勝利。
 それこそが、『メダ連』にもっとも必要なもの。
「くそったれ!!」
 ブラックメイルは吐き捨てて、にぎり拳をつくり――その右腕を振り下ろした。


 第四十四話に続く。