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RSSフィード SS書こうぜ!
   

日時: 2008/03/22 01:57
名前: 鎌兎

どうも。鎌兎です。
今回は気分転換にSSを書きましたので投稿させていただきます。

息抜きとして、皆様もSS書いてみませんか?
書いてみたいでしょう? そうでしょう?
ん・・・別にいいや?
そんなこといわずにさぁ!さぁ!さぁ!
思い切って書いてみましょうよ!



Re: 鎌兎式SS ( No.1 )
   
日時: 2008/03/22 02:07
名前: 鎌兎

あの夏の空と彼女




 ぼくらの夏は終わってしまった。
 どこまでも澄み渡るような青々とした空に吸い込まれるように。
 それは、一瞬のうちに消失した。

 ぼくらの夏は、
 たった一度きりの夏は、
 霧散するように、空の彼方に消えてしまった。

――そして、今はもういない、彼女。




 くさいきれの立ち込める、広い草原だった。
 ぼくと彼女は仰向けに寝転がって、ずっと空を眺めていた。
 清澄な空は絶対に届かないものとして、ぼくがこの世界に産み落とされたときから、変わりなくそこに存在していた。
 手を伸ばしてみる。少しだけ、空が近くに感じられる。
 初夏の色を含んだ風が、少し汗ばんだてのひらを撫でる。
 視界の隅では、天道虫が草の先にとまっていた。
「きもちいいね」
 夏空の青よりも透き通った声で、彼女はそういった。
 視線の先では、鳥が自由に空を翔けていた。
 不意に、目まいがした。
 視界が歪み、方向感覚が狂う。今自分が地面に立っているのか、それとも寝ているのか判断がつかない。
 ああ、いつものアレだ。
 持病の発作がきたのだろう。ぼくはそう納得した。
 ただ、いつもとはだいぶ違っていた。
 目まいや吐き気、頭痛が酷い。いつもならば、すぐに治まるはずなのに、今回は一向に治る気配がしない。
 声が聞こえる。
 どうやら彼女がぼくの異変に気づいたようだ。
 彼女は、叫びながらなにか行動を起こしているように見えた。
 ただ、なにを叫び、なにをしようとしているのかは、ぼくにはわからない。
 どんどん容態は悪くなっていく。
 意識が薄らいでいくのがわかる。
 身体の自由が利かない。自分に身体があるのかさえ、わからない。
 まるで、魂だけになったような感覚だった。どこにも、なにもない場所。
 ただ、虚無だけがそこにはあった。
 鈍痛がこめかみにはしる。脳に直接なにかを打ち付けているかのように痛む。
 なにか大切なものを失っていくかのような虚しさがぼくの虚無に広がる。
 意識の落ちる寸前に、ぼくはなにかを見た。
 ぼくの目が捉えたものは、きっと……。




 目を開けるとまず、白い壁が目に飛び込んできた。
 それが天井だと理解する。次いで自分は横になっているのだとも理解した。
 体を起こす。
 起き上がるだけだというのに、なぜか身体が悲鳴を上げていた。
 やっとのことで身を起こすと、女の子が目の前にいた。
 椅子に座り、ぼくのふとももの辺りで自分の腕を枕に寝ている。女の子は、少しやつれて見えた。
 そこで初めて、自分が横になっていたものはベッドなのだと気づく。
 なぜぼくがこの場所にいるのか。そして、君はいったい誰なのか。
 それらいくつかの疑問を全て飲み込む。質問は彼女が起きてからするとしよう。
 今はただ、この静かな四角い空間に身を沈めよう。
 辺りを見回す。
 窓からは、純白の光が差し込んでいた。
 一目見ただけでわかる。
 それは紛れもなく、夏の太陽の光だった。



                                 Fin

Re: 鎌兎式SS ( No.2 )
   
日時: 2008/03/24 12:51
名前: 鎌兎

天弓



 一瞬にして、世界は変わるものだと、僕は今日――いや、たった今実感した。
 道行く人々は、僕に怪訝な目を向けながらも、一刻も早く疲れを癒すために帰路についていた。
 ただ、中にはこれから活動を始める人もいて、そういう人たちは一日仕事に励んでいた人よりも活気に溢れて見える。
 僕は、どのくらいこうして、この場に突っ立っていたのだろうか。いや、立っていたのかどうかも怪しい。それぐらい、今の僕は自分の行動に自信が持てないでいた。
 既に、頭のてっぺんからつま先まで、体中で濡れていない場所はなかった。靴にしても、下着にしても、水がしみこんでいた。だけど、もう、そんなことはどうでもよかった。僕は、生きる希望さえ見出せないでいた。
 今のこの天気は、まるで僕の心の中を写し取ったかのようだった。いや――実際には、僕だけじゃないんだろう。何千何万といるのだ、僕みたいな人間が。だけど、それでも、この滴(しずく)の群れは僕の涙だと思った。なぜそう思ったかは、わからない。きっと、僕が涙を流していなかったからだろう。
 めまいがした。
 身体が冷え切っている。
 歩いてみる。
 予想通り、足元がおぼつかない。立っているのも厳しい。いや、今歩いたのかどうかも、定かではない。
 このまま、死んでもいいか。
 そう思えた。
 このまま、生きていても仕方がない。
 だんだんと、それしか考えられなくなってきた。
 楽に死ぬには、どうしたらいいんだろう。
 僕が知ってる自殺といえば、首吊り、入水、練炭くらいのものだった。
 どれも、苦しみそうな死にかただ。最期くらいは、楽させてくれてもいいじゃないか。
 それは、憤りだった。理不尽なものに向けた、理不尽な怒りだったと思う。でも、そんなものは関係がなかった。僕は、もうすぐ死ぬのだから。
 心に決めた。楽に死ねて、それでいて、あまり人目につかない死にかたが理想だ。
 そしてもう一つ、心に浮かんでくるものがあった。浮かんできたものが確信へと変わっていく。
 それは――。
 僕は、目的地に向かって、歩くことにした。
 早く、早く着かないか。
 僕は、急いだ。それは、気持ちだけのものだったかもしれない。だけど、この熱が冷めて辛く厳しい現実に引き戻される前に、楽になりたかったのだ。
 駅前を横切っていく。
 ただ一人、僕だけが水滴を遮るものを持っていなかった。
 僕は、目的地にたどり着いた。
 そして、目的の物を買う。
 また、濡れた道を歩いた。
 どのくらい歩いたのかはわからない。
 着いた場所は廃墟だった。以前、ここの近くを通りかかったときに知ったのだ。僕が知る中で、最も死に近い場所――それは、病院だった。
 建物の中へ足を踏み入れる。中は荒れ放題だった。天井や壁には、いたるところに落書きがされてある。ヒビも入っていたり、一部では壁自体が壊されていたりするところもあった。たぶん、近所の少年らの仕業だろう。
 ただ、床には埃がたまっていた。もしかすると、最近では近寄らなくなったのかもしれない。それはこちらにとっても好都合だった。
 適当な場所まで行き、壁にもたれかかって座る。僕はレジ袋の中から、煙草と酒を取り出した。ありったけの金を出して買ったものだが、煙草三箱と二升の酒瓶しか買えなかった。
 普段から、煙草や酒は一切しない僕だったけど、この日だけはやることに決めた。
 煙草を一本取り出す。一緒に買っておいた百円ライターで火を点ける。
 少し吸うと、途端に苦いものが肺に充満した。思わず咳き込んでしまう。それでも構わない、とまた吸う。
 煙草の先が短くなってくる。床には、灰が落ちている。煙草を床に押し付けた。黒い焦げ跡ができる。
 酒瓶の栓もあけた。ラッパ飲みをする。
 半分ほど、一気になくなった。
 息をつく。
 身体が熱くなってきた。さきほどまでの熱と似ているが、少し違うような感じもする。
 煙草を全て吸い終わり、酒も飲みつくした僕は、もうほとんどの思考を失っていた。
 ただ、僕は自分の胸のうちにある、自分を殺すという目的だけは見失っていなかった。
 窓の外に目を向けた。
 さきほどまでのように勢いよく落ちる滴の群れは、その勢いを殺していた。
 雲の切れ間から、光が差し込む。
 ――天使の梯子(はしご)だ。
 以前、誰かから聞いたのを思い出した。雲の切れ間から、幾筋もの光が差し込むことを、そう呼ぶそうだ。
 だけど、僕には関係がなかった。それどころか、弱まってしまった涙を見て、少しだけ残念に思った。だけど、まだ途切れたわけじゃない。希望は残っていた。
 院内を徘徊する。僕には、もう一つ目的の物があった。
 それを探す。――あった。
 試しに、そっと指を触れさせてみた。
 指の腹に、筋が通る。そこから、紅いものが溢れだしてきた。
 よし、いける。
 僕に、迷いはなかった。
 白銀の刃を、喉元につきたてた。
 僕には、最期の願いがあった。
 単純な考えだ。
 涙が枯れれば、空は晴れるだろう。つまりは、そういうことだ。
 ――空に架かる橋になるんだ。



                                 Fin

Re: 鎌兎式SS ( No.3 )
   
日時: 2008/04/15 23:44
名前: 鎌兎

喪失と再生



 僕は彼女を失った。守ることができなかった。

 私は彼を失った。想うことができなかった。

 失う。

 僕は、失ってばかりだ。

 私は、失うことに慣れてしまった。

 だから僕は、とても悲しい。何度失うことを経験しようと、この気持ちは変わらないんだろう。

 それでも私は、少しだけ切ない。何度失っても、余韻にも似た哀しさは消えないのだろう。


 僕は、思う。

 私は、思う。

 人生とは、新出と消失の連続だと。


 ――まるで儚く散る、人の夢のよう。



                                 Fin

Re: 鎌兎式SS ( No.4 )
   
日時: 2008/05/04 23:55
名前: 鎌兎
参照: http://novel-novel.8.bbs.fc2.com/

怪奇現象



 私は、地面に降り立った。途端になんらかの臭いが鼻を突いた。振り返ると、さきほどまで乗っていたバスの扉が閉まるところだった。バスは排気ガスを撒き散らしながら走り去っていった。
 前方にある木の柵に沿って歩いた。円形に並んだ柵の中は牧草地となっていた。
 どこまでも見渡せるようなとても広い草原で、遠方には山が霞み、また別の方には輝く海が見える。
 ここでは、何種類かの草食動物が放し飼いにされていた。それは牛だったり、羊だったり。つまりは家畜だ。さきほどの臭いの元はこれだったのだろう。この臭いにもじきに慣れるだろうか。
 それにしても、ここまで広大な土地を所有している人物は誰なんだろうか。私はその疑問を解消するために、家の方へ向かった。
 少し歩くと、木でできた家が見えた。中々立派な造りで、コテージなんかも備え付けられていた。つい最近建立されたように綺麗だった。
 玄関のドアを叩いた。
「すいません。誰かいませんか?」
 だが、返事はなかった。
 今度はさきほどよりも強く叩いた。
「すいません。誰かおられませんか?」
 それでも返事はなかった。衝動的に、ドアノブに手をかけてしまった。引くと、意外にすんなりと開いてしまい、あとずさってしまった。
 少し経つと、私も落ち着きを取り戻した。
 悪いことだと思いながらも、家の中に足を踏み入れた。そこから家の人を呼んでも、全く反応がなかった。いや、というよりも人の気配が全くしなかった。
「おかしいなあ。普通、放し飼いにして家を留守にはしないはずなのに」
 いくら辺鄙な場所とはいっても、さすがに不用心すぎる。不思議に思いながらも私は、一旦外に出た。
 頭上を見上げると、雲が流れていた。山の近くなので流れるのが早い。
 私は柵に寄りかかりながら、家畜を見ていた。それぞれが、自由気ままに行動している。寝ていたり、歩いていたり。
 そうして、長い間眺めていたが、いっこうに家主の帰ってくる気配はない。
 脚も疲れてきたので、玄関前の階段に座ることにした。
 すでに夕日は海の向こうへ消え入っていた。
「どこか旅行にでも行っているのかな」
 いや、そんなはずはないと自分の中でそれを打ち消した。帰ってこないはずがないと。
 家主が戻らなければ、私がこんなところでバスを降りた意味がない。ここの持ち主がどんな人間なのか、一目でもいいから見てみたくて、そして話してみたくて降りたというのに。
 そういった、バスに乗ってる途中なんかで見つけた土地で降りて、そこにいる人と話したりするのが私の趣味だった。変な趣味だと自覚しているが、これがまた面白くて止められないのだ。今週みたいに休みが続く日は、遠くへ出かける。そこには、新たな発見がいくつも待っているのだ。
 すっかり日が暮れても、飼い主は現れなかった。バスももう来ない。
「どうしよう」
 私は、困り果てていた。
 辺りが冷え込んできた。そういえば、家畜はどうするのだろうか。
 家畜の小屋らしきものはあるが、どうやって中に入れたらよいのかわからない。
 私は、とうとう寒さに耐えかねて、家の中へ入ってしまった。
 家の中は薄暗かったので、電気のスイッチを入れて明るくした。
 見渡してみると、そこはリビングだった。木で作られたテーブルと椅子。ソファーにテレビなんかがある。
 しかし、生活感が全くといっていいほどなかった。まるで、何年も無人のようだ。それにしては、埃が積もってなかった。
 幽霊屋敷にでも迷い込んでしまったのか。そんなくだらないことを思い浮かべ、すぐに打ち消す。
 それと、ずっとなにも口にしていないのに、なぜか腹も空かないし、喉も渇かなかった。こんな不気味な場所にきてしまったせいだろうか。
 とにかくなにか食べようと、勝手ながら冷蔵庫を開けた。しかし、中は空だ。
「中の食材でも買いに行って、それで遅くなってるのかな」
 それにしては時間がかかりすぎだと思ったが、車の故障かなにかだろう。ただ、この生活感のなさだけは、適当な理由が思いつかない。綺麗好きでは済まされない。その辺りを考えるのは、家の人が戻ってからでいいだろう。まず帰ってきたら勝手に家の中に入ったことをお詫びしよう。
 そんなことを考えていたら、眠気が襲ってきた。ソファーを拝借して横になると、すぐに眠ることができた。
 目覚めると、すでに日は高く昇っていた。
 自分がどこにいて、なにをしていたのかを思い出し、すぐさま家の中を探す。が、人影は見つからなかった。
「おかしいなあ」小さく呟く。「戻ってきてない……。さすがに遅すぎるよ」
 それから、数日が経った。まだ家主は帰ってこなかった。
 バスに乗って早々に帰ることもできたが、さすがになんの断りもなしというわけにはいかなかった。置手紙でも残していこうかと思ったが、それも悪いと思い、戻ってくるまで待ち続けた。奇怪なことに、腹は全くといっていいほど空かないし、喉も渇かない。気味が悪くなって水を飲もうとしても、水道がでない。不気味さに背筋が震えたが、我慢して待った。
 休日も明日で終わりになった。今日中に帰らなければ仕事に復帰できない。
 いてもたってもいられず、バスから降りた方へ向かった。
 道路に出て、見回したが、車の通る気配はなかった。そして、数日前にあったはずのバス停の標識さえなかった。
 今度こそ、心底凍えた。
 呆然としながら、時間だけが過ぎていった。晩春の太陽に照らされ続けているにも関わらず、一滴の汗さえ流れなかった。
 車のエンジン音が聞こえた。その方向を見ると、予想通り車が来るところだった。
 車道にでて、車を待ち構えた。確実にとまってもらうためだ。
 車は、こちらに気づくと、速度を落としながら停車した。
「すいません」
 謝りながら車へと近づいた。車体に取り付けられたドアが開き、中から四十代だと思われる女性が出てきた。
 化粧の濃い四十代は口を開いた。
「あなた、こんなところでなにしているの? それに道の真ん中に出たりしたら危ないじゃないの」
「すいません。少し困ったことになりまして」
 私は頭を下げながら答えた。
「困ったこと?」
「ええ。あそこの家の主人を待っているんですけど、何日も帰ってこなくて。家畜も放されていますし、どうしたらいいものかと」
 言うと、女性は驚いたような顔を浮かべた。
「いい? よく聞きなさい」
 女性は、自分自身を落ち着かせるようにして息を大きく吸い、話し始めた。
「ここのご主人は、数年前に亡くなったわ」
 きっと私は間抜けた表情をしていたに違いない。
「え……じゃあ、ここの家畜たちはどうやって……」
「家畜? あなた、なにを言っているの? 家畜なんか、とくの昔に業者が引き取ったわよ」
 衝撃がはしったような感覚。ありえないはずの事実を、突きつけられたような気持ちになる。私は、この女性が、嘘をついているのではないかと疑い、その嘘はなんら意味のないことだと、疑いを消す。だが、自分はここ数日間、家畜たちをずっと目にしていたのだ。いないはずなど、ない。
 だって、今もあそこには、家畜が……。
 恐る恐る振り返る。
 今度こそ、愕然とした。
 まず目に飛び込んできたのは、ぼろぼろになった柵。腐食し、変色し、崩れ落ちている。すでにそれは、柵としての仕事を成さなくなっている。
 そして、どこにも。
 辺りを見渡しても、どこにも。
 どこにも、家畜は、いない。
 雑草だけが、青々を茂っていた。
「な……! あ、ありえない! だって、さっきまで……」
 私はうろたえた。目の前で、奇異な現象が起こったのだ。まさか、数日もの間、ずっと幻覚でも見ていたのだろうか。
 そして、家が視界に入った。
 それは、柵と同じように、腐り始めていた。
 ついさっきまで、あんなに新築同然だった家が。
「ああ、あの家……。建立されて間もなく、ご主人が亡くなってね。今じゃもう、掃除をする人もいないから、汚れ放題で……」
 とうとう、私の思考は停止した。なにもかも、わけがわからなかった。今、ここにいるのでさえ、幻覚かと思ってしまうほどだ。
「そういえば、あなた、大丈夫? さっきから、不思議なことばかり言ってるけど」
 反応できない。する気力さえ起きない。
「なんなら、麓(ふもと)まで送っていってあげようか。もうバスも来ないし、こんなところで寝泊りできないでしょ。うん、そうしときな。ほら乗った乗った」
 女性は、早口でまくしたてた。私の腕を掴み、車へと押し込む。
「それじゃ、行くよ」
 エンジン音がし、まもなく車は発進した。
 私は、窓ガラス越しに、星空を見上げていた。
 頭の中を整理しながら。きっと、私は蜃気楼にでも呑まれてしまったのだろう。そうやって、自分の中でこのことに終止符を打った。
 そして、一つ、心に決めた。
 もう――もう、こんな趣味は、止めにしよう。
 そうして、私の趣味にも、終止符が打たれた。



                                 Fin

Re: SS書こうぜ! ( No.5 )
   
日時: 2008/06/23 00:09
名前: 鎌兎
参照: http://novel-novel.8.bbs.fc2.com/

軽く修正をば。

最初の文は完全におふざけです。すいません。
しかしながら、全員参加型になぜかなってしまいました。これは事実なのです。
ご参加お待ちしております。

さぁみんな! 息抜きをしようじゃないか!

考えの違い ( No.6 )
   
日時: 2009/05/13 23:09
名前: 凍零



 平凡な生活を送っていた村に、ある1人の青年が流れ込んで来た。
 男は言った「暫くの間だけでいい、ここにおかせてくれ」
 村の村長はそれに応えた「暫くの間だけなら、空いている家がある。 そこを使うといい」
 男は有り難くお礼を言い、暫くの間厄介になることになった。


 この日、森の奥から激しい地鳴りが鳴った。


 男がやって来て1日目。
 朝一番、突然男は森へと入って行った。
 村人に何も言わずに出て行く様に、黙って家の窓から村長は見つめていた。
 
 正午近くに、男は帰って来た。
 近くにいた村人にも特に何も会話等はせず、黙って貸した家に戻って行った。
 戻って行く最中、男の手が微かに赤くなっていたのを、村人は1人見てみぬ振りをしていた。


 この日、森の奥から低い唸り声と、地鳴りが再度鳴った。


 一度とたらず二度も起きた奇怪な現象。
 不安を抱えていく村人達にも気にせず、またも朝一番に男は森の奥へと入って行った。
 村長は言った「森に入って行った男の様子を、誰か見に行ってくれないか」
 1人の男が立った「私が行きましょう」
 そう告げた男は、護身用と言い一本のナイフを手渡した。


 
 深い森の奥、1つだけ空いた穴があった。
 そこに1人の男が、何の躊躇も無く洞穴の中へと入った。
 肩には2羽の兎を担ぎ、灯りの無い洞穴に恐怖等無く、真っ直ぐ進んで行く。
 「待たせたね」男は言った。
 2羽の兎を丁寧に地面へと置きながら、壁へと寄る。
 背中が壁についたと同時に、奥から低い唸り声と共に巨大な鱗と牙が、兎の直ぐ目の前に現れた。
 それに臆する事無く、息絶えた兎を食すのをただ黙って男は見つめていた。
 一分も経たずとその食事が終わり、血に塗れた口と牙が見えたまま、その異形の存在は、男に顔を向けた。
 その存在、竜は低く唸りながら言った「すまぬな、いつも」
 その問いかけに、男は頬を緩み「気にするな。 それより、傷の具合は?」と言った。
 「もう大丈夫だろうな、羽ばたいても痛みが来ない。 明朝、飛び立つとしよう」竜は言った。
 傷の具合が良好な事に、男は安堵した。
 緊張が解けて息を大きく吐く、そして兎を狩る際に使っていた剣を拭くタオルを、血がついてない方を男の目線まで上げ「そうか。 じゃあ、血を拭くから」
 血を拭いていく行為に、竜は黙って受け入れていた。
 雑ではあるが、ある程度を拭き終え、竜は満足したのか口を大きく開けて洞窟内に響く程度の欠伸を漏らした。
 男はそんな行為に苦笑していた。



 洞穴から聞こえてくる、男と人間では無い唸り声に、追いかけていた男は背筋が凍った。
 早くこれを村長達に知らさなければ。 
 それだけしか頭に残らず、一目散にその場から逃げ出すように走って行った。



 追いかけていった男の話を聞き、村長や村人達は驚いていた。
 このままあの男をここに置いて良いのか、あの竜は村人達を食べないのかと、村人達の間から囁かれていく。
 村長は言った「あの男が寝静まった頃、騎士を呼んで討伐させよう」
 その言葉に、村人達は黙って頷いた。


 その日、地鳴りは鳴らなかった。



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