>> メダロットライズ にもどる
Re: 『マンホールに二次元世界』 ( No.24 )
日時: 2012/01/07 20:07
名前: 通りすがりのコンビニ店員

 
 第二十四話『カラオケへGO!』



 『家』を確保し、『狩り』も順調で、生活はだいぶん落ち着いてきた……という事で、
 私たちは初チーム戦の祝杯&メダロッターとメダロットの親睦を深めるために、わたくしウサギと菊くん、ロイ、デスト、ビィービのメンバーは――


「カラオケに来てま~す☆」


 たまにはハメを外してもいいじゃん。きょうは一日歌いつぶす!!
「けどさぁ……素朴な疑問。メダロットって持ち歌あるの?」
 ってか、歌えるの?
「ありますよー」
「アニソンなら任せろ!!」
 穏やかに答えるデストと、胸をはるロイ。
「なっ、なぜにアニソン……」
 そういやロイは戦闘中によく中二病的なセリフを吐いてるよね。
 『俺の右手が真っ赤に燃えるぅぅぅ!』(←デスボム使用時)とか。
 アレか、こいつはオタクなのか。
「ロイは前マスターの影響を一番うけてますから……」
 遠い目をするデスト。
 初期のメダルはまっさらな状態で、性格形成にマスターの影響をすごく受けやすい……どうやら私の予想は当たってるみたい。
「ビィービや菊くんは曲、大丈夫?」
「心配無用じゃ。優勝はワシが貰うからのぅ」
「俺も一応は、歌える曲ぐらいあるさ」
 キラーンと目を光らせ、余裕の笑みを浮かべる二機。
「どうやら手加減は必要なさそうね……」
 今回のカラオケは点数を競いあい、トップが最下位に好きなことを命令できる――重要だからもう一度言うが、トップになれば好きなことが命令できる――という、ゲームが組み込まれている。
 楽しむなら本気で楽しむべし、って考えの私による采配だ。
 私を最下位にすることが出来れば日々の主導権をとりかえすこともできるので、四機は大いに乗り気。
 まぁ最終的に優勝するのは私だけど!
「それでは――」
 マイクのスイッチをオンにし、大げさな司会者口調で私は宣言する。


「第一回カラオケ大会を開催します!」


「「「おぉ――!」」」
 盛り上がる三機。
「第一回って……二回目もあるのかよ?」
 菊くんの小さな一言は、いつも通り全員にスルーされるのであった。


   

             第二十五話に続く。


  あとがき
 ―――――――――――――――――――
 もし自分がメダロットを持ってたら、カラオケに連れていきたいなぁ――って欲望から、カラオケ編に突入。
 前面にキャラの個性を出していきたいと思います。
 短いので二話連続で投稿。
 
 なので今回は次回予告なし!
 ただ神帝ファンに袋叩きにされるだろうなと予想されます。


 投稿後、私 生きていられるかなぁ……。

Re: 『マンホールに二次元世界』 ( No.25 )
日時: 2012/01/07 20:18
名前: 通りすがりのコンビニ店員

 第二十五話『乙女チックに神帝』



 当然のごとくアニソンの曲名しかあげないロイ。
「家長! 一緒に『跪いて足をお嘗め』うたおーぜ!」
「跪いて……マスターにぴったりの曲ですね」
「なにか言った? デスト(^ω^#)」
「い、いえ。なにも……」
「デストはどんなの歌うの?」
「私ですか? 私は………これを」
 いつの間にか、ちゃっかりマイクを握っているデスト。


(チャラ~チャララ~♪)


 流れだしたのは――――初代プリキュアのOPっ?!


「プリティで ♪ キュアキュア♪  ふたりは  プリッキュア~☆」


 ポーズまで決めて、超ハイテンションで歌い出す。
「プリキュアを熱唱する神帝とか……シュールすぎるんですけど」
 なに? このおぞましい光景。
「あいつも俺同様、前マスターの影響を受けてるからな……」
 ロイが遠い目をした。


『ピピッ……』


 歌い終わり、得点が出る。
 84点。


「「「「おぉ~!」」」」


 トップバッターにしては高すぎる点数。


「熱唱しているだけのことはあるぜ」
「プリキュアのくせに……やるわね!」
「デストは音程をとるのが上手いからのぅ」


「次はどなたが歌いますか?」


 満足げに帰って来たデストが、マイクを差し出す。
「俺が行こう」
 さっとマイクを受け取ったのは、菊くんだった。


              
                第二十六話に続く。
  

  あとがき
 ――――――――――――――
 カラオケ編はどの話も短く、テンポと会話重視。
 ロイと菊くんのセリフの区別がわかりにくい回が続くかも…しれません。
 ちなみに今回の「熱唱しているだけのことはあるぜ」はロイのセリフです……わかりにくいなぁ。


 次回予告!
 カッコイイキャラにしようとして、イマイチ出来てない菊くんの実力が次回で発揮されるぞ!
 カッコイイキャラは完全に崩壊してる内容だけどね!


 第二十六話『青メダやバカメダ三機と出会う前の菊くんの黒歴史』をお楽しみに!


 お粗末でした。

Re: 『マンホールに二次元世界』 ( No.26 )
日時: 2012/01/15 14:35
名前: 通りすがりのコンビニ店員



 第二十六話『青メダやバカメダ三機と出会う前の菊くんの黒歴史』



「ちょっと。まさか菊くんまでアニソン歌いだしたりしないわよね?」
「菊さんは前のマスターが違うので、それはないかと」
「いったいどんな歌をうたうのかのぅ」
「気になるとこだな」
 ヒソヒソと私たちを横目に、菊くんはスチャッとマイクを構えた。
 TV画面に歌詞が表示される。
 まわりがザワつき出す。


「なっ、なんだとっ?!」
「すべて英語の歌詞ですね!」
「カッ……カッコイイのぅ……」


 驚きをあらわにする三機。しかし私は違うことに驚いた。
「こっ、これは――403の『Southern Cross(サザンクロス)』?! 菊くんまさか……フラッシュの住人だったのっ?!」
 ●イトメアシティ?! フラッシュのナイト●アシティのやつだよねっ?!


「ちっ。知ってるヤツがいたか……こいつらと出会う前、1人旅してた時はネットカフェで寝泊まりしててな。うっかりハマっちまったんだよ。あと言っとくが俺はフラッシュの住人じゃない。ただのネット中毒者だ」
 メダロットまでネット中毒に追い込むとは……インターネットとは恐ろしい。
 つーか、自分で中毒者を名乗るなよ。


「●イトメアシティは素晴らしい」
 そう言って菊くんは歌い始めた。
 菊くん…どんだけハマったのっ?!


「 You are standing here as true as you were born on this earth.
 (生まれてきたからこそ、君はここにいる)
 Don't pin all your hopes and your dreams on somebody else's lives――
 (希望や夢のすべてを他のだれかの人生に託したりしてはならない――)」


 しかも上手い。めちゃくちゃ上手い!!
「よどみない発音じゃのぅ」
「音程とテンポもバッチリです」
「おまけに美声……こりゃ優勝が危ないな」
「菊くんめ。歌い込んでやがる!」
 ネット中毒者を自称するだけはあるな!


『ピピッ……』


 点数が出た。
 96点。


「「「「うぉぉお~っ!!」」」」


 レベルがいっきに上がった。
 この後に歌うのは辛い…っ!


「ほら、次は誰が行く?」
 菊くんの声に、気まずそうに誰もが押し黙る中。


「なら、俺しかいねーな」


 ロイが立ちあがって、マイクを引き継いだ。




               第二十七話に続く。


  あとがき
 ―――――――――――――
 Don't pin all your hopes and your dreams on somebody else's lives――
 (希望や夢のすべてを他のだれかの人生に託したりしてはならない――)

 
 ネタがわからない人はごめんなさい。興味がある方は『ナイトメアシティ』で検索を。損はしないはず。
 しかしネットカフェに寝泊まりするメダロットって……なんだかなぁ(笑



 あと、タイトル負けの回でごめんなさい。自覚はしてます。しかし他にタイトルを思いつかなかったんです!


 次回予告!
 ついに大本命と言われる(いや、言われてないけど)アニソン王(勝手に命名)ロイ登場!!
 

 第二十七話『作者フリーダム!』をお待ちください!

Re: 『マンホールに二次元世界』 ( No.27 )
日時: 2012/01/21 14:20
名前: 通りすがりのコンビニ店員


 第二十七話『作者フリーダム!』



 ロイが歌うアニソン予想。


「ドロゴンボールOPの『魔訶不思議アドベンチャー 』に一票! アニメ王道ならこれでしょ」
「私はアリプロの『聖少女領域』だと思います。ロイはアリプロファンですし」
 そういや『跪いて足をお嘗め』歌おうって誘ってきたもんね。
「ワシはセーラームーンの『ムーンライト伝説』だとみるのぅ。この前の再放送見てはしゃいでいたからのぅ」
「いや、銀魂の『曇天』じゃないか? 昨日、銭湯で熱唱してたぞ」
「あぁ、あれはうるさかったですね……」
「うるさかったのぅ」
「うそっ。あんまり他のお客さんに迷惑かけないでよ? 今度から銭湯、通いにくいじゃない」
「そういう事は本人に言ってくれ」
「言ってもロイは覚えないし」
「殴れば少しは覚えますよ」
「それもそうね」


「……なぁ、ビィービ。最近、デストがロイに辛辣になって来たのは気のせいか?(小声)」
「デストのことだからのぅ……ただの天然か、ウサギちゃんにつられて凶暴化しつつあるのか……わからんのぅ(小声)」」
「ロイだけに集中してるならいいんだけどな。くそっ……妙な懐き方しやがって(小声)」
「完全にウサギちゃんみたいになればワシたちも危なくなるしのぅ……(小声)」


「ちょっと、聞こえてるんだけど。私みたいになったらって……どういう意味なのかなぁ?^^」
 凶暴化ってなに。この可憐な美少女のどこが凶暴だっていうの!
(ドゴッゴキバキィィ!)
「「ぎゃぁぁぁぁぁあ―――!」」
「おぉ、皆さん仲良しですねぇ~✿」


 予想だけで勝手にドタバタする私たち。
 しかしロイがかけた曲が流れだすと、全員が口を開け 動きを止めた。


(チャラ~チャララ~♪)


「こっ、この曲は――」
「よっ、予想外だわ――」
「まっ、まさかだのぅ――」
「なっ、なんて選曲しやがるっ――」


「「「「『知恵と勇気だ! メダロット』だとっ?!」」」」


 ニヤリと笑い、ロイが歌い出す。


「でっかく生きろよ 男なら♪ 横道それずに まっしぐらぁ!」


 さすがアニソン王。歌い方に堂に入って安定している。
 確実に90はいく歌い方だ。
「くそぅ……まさか『メダロット』のOPでくるなんてっ」
 作者(通りすがり~)にケンカ売ってるとしか思えない行為じゃない。
「本来なら小説の世界観設定が危うくなるから『バナナ処刑』ですね。今回はネタ回で無礼講だから、許しが出たらしいですけど。ちなみに私のこのコメントも無礼講です」
「そうなのっ?! わっ、私の知らない間にそんな許可がでてるなんてっ…」
「無礼講だという話、ワシも初めて聞いたがのぅ」
「俺もだ」
「抜け駆けするために、許可をとったロイが故意的に黙ってたらしいです。作者から言質が今とれました」
「なんだそれ。ウサギ、後で血祭りにしてやれ」
「まかせて」
 満場一致でロイの血祭りが決定した。


『ピピッ……』


 点数が出る。
 95点。


「「「「あっちゃ~」」」」


 惜しくも菊くんには届かず。
 

「やっちまったな」
「メダロットのOP歌っておいて、95って……最悪ね」
「大口たたいたにしては期待外れでした」
「何だったかのぅ…『なら、俺しかいねーな!』だったかのぅ?」
「だぁああああああ! やーめーてーくーれ――っ!」
 自身満々に歌っていたぶん、顔を真っ赤にして慌てだすロイ。脚部のスパゲティをバタつかせてちょっと危ない。
 けど追い打ちをかけるのは止めない♪
「『アニソンなら任せろ』とも言ってたのにねー」
「だからヤメロォ…俺が悪かった! 負けた!! 認めるからもう止めてくれぇええ!!」
(ぷしゅ~)
 恥ずかしさでロイがソファに撃沈。
 私はロイが落としたマイクを拾う。
「ふっふっふ……こうなったら、私が出るしかないようね!」
 今こそ私の出番の時!
「来週は私の オンステージ☆ よ!」




                        第二十八話に続く。




 ちなみに、おまけ。


「ロイと似たようなこと言ってやがる……二の舞になることに一票(小声)」
「実はオンチに一票だのぅ(小声)」
「逆に100点を出すことに一票入れます(小声)」
「94点。1点差で俺に負けるに一票だ! ってか負けろ!!(小声)」
「1対3だな。ウサギが上手かったらデストの一人勝ち。下手だったらデストのを三人で山分けだ。これでいいな?(小声)」
「「「了解」」」


 などと、菊君たちは風呂上がりに買ってもらえるオイルを賭けていた。



 あとがき
――――――――――――――――――
 部屋にお風呂がついてないので、菊くんたちは銭湯に通っている設定。銭湯はメダも人も一緒に入れる銭湯です。

 次回予告!
 今までを見返してみると誰一人まともな曲を歌ってないぞ!! このままでいいのかっ?!
 次回も作者の脳みそが疑われる内容でつっきってしまうのかっ?!

 第二十八話『ぐはははっ! ウサギ(私)に限界などない!』をよろしくね!

 お粗末でした。

Re: 『マンホールに二次元世界』 ( No.28 )
日時: 2012/01/27 22:28
名前: 通りすがりのコンビニ店員



 第二十八話『ぐはははっ! ウサギ(私)に限界などない!』


「ふふん。私に賭けなかったこと、後悔するわよ」
 私の不敵な笑みに、ざわつき出す菊くんたち。
「ウサギのやつ……何を歌う気だ?」
「言い方から、アニソンではないみたいだのぅ」
「あの自信。どうやら賭けは私の一人勝ちですね!」
「いや。菊の後に歌わなかった辺り、あんがい自信ないんじゃねーか?」
「バッカじゃないの……気負ったら良い声だせないのは当然でしょう。あえて歌わなかったのよ」
 ふふんっとロイの言葉を鼻で笑う。


「私が歌う曲は、トチッたら終わりだしね」


(チャラ~チャララ~♪)


 曲の出だしが流れだした。
 菊くんが カッ とライトを見開く。


(ガタッ)


「はっ、はっ――『初音ミクの消失』だとっ?!」
「ぐっふっふ……さすが菊くん。ボーカロイドも熟知しているみたいね!」
 さすがネット中毒!
「馬鹿な。メダロットでさえ歌えないあの高速曲を、人間のお前が歌えるというのかっ?!」
「ふっ。人間の本気をとくと見なさい!」
「ぐはぁぁあああああっ!」
 やたらハイテンションのやり取りをして、私はマイクを構える。
 よくわかっていない三機は、謎のダメージでぶっ飛んだ菊くんに若干退いているが、気にしない。
 

「モウ・・いちど・だ・け・・・    ボクは生まれそして気づく所詮ヒトの真似事だと知ってなおも歌い続く永遠 (トワ)の命「VOCALOID」――」


 息継ぎなしで一気に歌いきる私に、ポカンと口をあける三機。
「この曲で音程が崩れないだと……こいつ化け物か!」
 菊くんが悔しそうにうめいた。


『ピピッ……』


 無事に歌い切り、点数が出る。
 97点。


「「「「うぉおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!」」」」


 今日一番の大歓声!


「家長強すぎだろ………」
「あっ、ありえん………」
「マスター……本当に人間ですか?」


 驚愕で打ち震えるロイ、デスト、菊くん。


「ぐはははは! 優勝はもらったわ!!」


「まだじゃ」
「え?」
「ワシを忘れてもらっちゃ困るのぅ……うぃーひぃっひぃ!」


 ラスボスの風格を漂わせて、ビィービは腰を上げた。

         
               

                  第二十九話に続く。



 おまけ


ウサギ「ビィービの笑い方、なんか怖い」
菊ノ内「ぐはは笑いのウサギが言えた事じゃ――ぐあはぁあああ!」


 あとがき
――――――――――――
 作者が脳みそ疑われる内容で突っ切ってしまった……。


 次回予告!

 来週はカラオケ編、唯一の長編!
 ギャグ! シリアス! 今まで崩壊しがちだった世界観の引き締めにとりかかってる――はずなにの作者フリーダム!
 ビィービ主役回だけど予想外のキャラがでしゃばってくるぞ!


 第二十九話『プリミティベビー』にご期待ください!

Re: 『マンホールに二次元世界』 ( No.29 )
日時: 2012/02/03 11:06
名前: 通りすがりのコンビニ店員




 第二十九話『プリミティベビー』

 

 私は、隣に座るデストに話を振る。
「ビィービも、デストやロイと同じマスターの所にいたんだよね?」
 デストはアニソン。ロイも勿論アニソン。
 ということは……もしやビィービが歌う曲も?
「確かに前のマスター同じですが……ビィービは私たちと違って、前マスターが『初めて』ではありませんので」
「えっ? レベル0なのに?」
 二代そろってマスターがコレクターだったって事?
 私がそう言うと、デストは私だけに聞こえる声で詳しく説明してくれた。
「マスターはメダロットに疎いので知らないかも知れませんが………プリミティベビーはDr.ヘベレケという博士に作られた、千年も前の機体です」
「千年っ?! そんなに生き続けてるのっ?!」
「はい。しかもプリミティベビーはDr.ヘベレケにしか制作不可能なメダで、世界に五機しか存在しません。……だから、コレクターたちは喉から手が出るほど欲しがっています」
 はは~ん。
 なるほどね。
「それで歴代のマスターたちが全てコレクターだった……と。これってビィービが若干ボケてることに関係ある?」
 メダロットは、ロボット。
 それも凄く優秀な――本来は、『ボケる』ことなどありえない。全てを記憶してしまう性能を有するロボット。
 知り合って日の浅い私が口を挟むことではないと思って、踏み込んで来なかったけど。
 なんやかんやで過ごしてきた彼らとの数日間が――すごく楽しかったから。もう少し一緒にいたいと思ってしまうほど、楽しかったから。
 一緒にいる覚悟をするべきだろう。踏み込んでいくべきだろう。
 彼らのマスターとして――そのための、カラオケ大会だしね♪
「マスター……私たちが、前マスターに捨てられたことは言いましたよね?」
「うん。社会人になったから捨てられたんだよね?」
「くっ……人のトラウマを明るく言いますね……って、そうじゃなくて。普通そういう場合、要らなくなったメダは売られるんです。けど売るまでの手続きが面倒くさくて、大抵の金持ちは廃棄します。私たちはそうでした」
 確かに『3023メダカタログ』にも買取の説明が書かれてたけど、長ったらしかったなぁ……。
「けどプリミティベビーとなれば別格です。買取ではなく、オークションに出すのが筋ってものです。前マスターの時も本当はそうなるはずでした」
「……何かあったのね?」
「何があったのかは私も詳しくは知りません。ただ前マスターから全てのメダを手放すと聞かされた次の日に――何かがあって、私たちが部屋に駆けつけた時にはもう遅くて、ビィービの精神は『壊れて』ました」


 そして彼の心は今も壊れたままです。


「だからビィービも廃棄行きになり――マスター……? 何を呟いてるんです?」
 精神――心の、破壊。優秀な性能ゆえの歪み。機械の身体と精神のアンバランス。絶対の強さと、その下に潜む脆さ。メダロットは本当に永遠?
「……あぁ…………そっか。やっぱりメダロットは生きてるんだね」
「は?」
「『永遠に生きる』生き物なんか存在しない。だから私はこの世界を、夢の中か何かじゃないかと思って来たんだけど――」
「マスター? 何の話ですか?」
「――ここは『現実』で。やっぱり永遠なんて存在しなくて。だから菊くんたちも本当に存在していて……」
「マスター??」


 夢の中だと信じていた。もしくは信じていたかった。
 異世界に来る長い夢。
 いつかは覚める長い夢。
 そう思い込み全ての思考に蓋をして、何も考えないようにした来たけれど――私は、元の世界に帰れるのだろうか?


 当分は別にいい。
 菊くんたちといるのは楽しい――誰かといるのも悪くない。…一緒にいたいと、私がそう思ってしまえるほど。


 けれど、一生?
 この世界で?
 誰も私を知らない――『兎想月ウサギ』を知らないこの世界で?
 

 足元が抜け落ちる感覚がした。


「マスター!」
 目の前でパァンと手を叩かれて、意識が引き戻される。
「えっ、えっ、なに?」
「なにって……マスターが話している途中で急に黙り込んだんです。どうしてんですか? ……顔が真っ青ですよ?」
 デストの表情は真剣で、なんやら多大な心配をさせてしまったみたいだ。
 とっさに笑って嘘をつく。
「いやぁ――…………………………………デストって、神帝のくせにキモい趣味してるなって」
 しまった。ある意味本音が出てしまった。
「なっ――べっ、別にいいでしょう?! 可愛い物を可愛いと思ったって!!」
 ……まっ、いっか。話は逸らせたし。
 面白いからこのままデストをからかおう。
「いやいや、プリキュアはないわ。正直おぞましい」
「おっ、おぞましい?!」
「クソえげつないパーツ着けといてプリキュアって…(失笑」
「ううぅ………せめてキモいで止めて欲しかった」
「打たれ弱いなぁ。イジメがいがないじゃない」
「鬼っ?!」
「まぁ徐々に慣れていくか。一年後にはむしろ自分からしてくれって言い出すはずだし」
「なにМ化させようとしてるんですっ?!」
「これが本当の『Мプロジェクト』よ」
「違いますよ止めてください!! そして、そのネタの時期はもう過ぎてます!!」
「次は名古屋で【X-ALART】(エックスアラート)ね。前回の『Мプロジェクト』に参加できなかったから作者(通りすがり~)が次こそは行くぞと意気込んでたわ」
「知りませんよ?! そんな情報!」
「――って、冗談はその辺にして。ちょっと考え込んでただけだから気にしないで」
「……本当ですか?」
「うん。話の途中でほったらかしにして、ごめんね?」
「それは……別にいいですけど!」
 ふいっと顔をそむけるデスト。
「え、なに? その反応。もしかして拗ねてたの?」
「拗ねてなんかいません!」
 ……こ、コイツ?! 照れてやがる!!
 あぁぁ可愛いなぁ。頬を真っ赤に染めてホント可愛いなぁ!
 ただその反応は完全に乙女がするものだよ! 早く気づいて、デスト!! 私は絶対に教えないけど!←


 テレテレの状態から何とか持ち直したデストが、こほんっと咳をうった。


「それでは話を元に戻しますが――そうそう、ビィービのことでしたね」
「『何か』があってビィービがおかしくなったんだっけ」
「はい。その事件が理由でビィービも廃棄工場行きになり――工場に送られる途中で私たちは脱走したんです」
「脱走って、おい」
「いやはや作業員の人がメダ好きの話の解る人でして」
「作業員も共犯かよ!」
「『生きる気があるなら、生きた方がいい』といって逃がしてくれました。超カッコ良かったです」
 だから頬を赤らめるな! 可愛いから言わないけど!
「で、あとは三機で寄り添って、ハッタリだけで生き延びてました」
「ラインアップだけなら最凶だもんねー」
 中身はレベル3、2、0のザコだけど。
「けどハッタリがバレてしまって、カモられていた所をブルーさんと菊さんに助けて頂いたんです」
「菊くんって、青メダの方が付き合い長いんだ」
「そうですね。あの二人は一年ぐらい一緒に旅して回っていたそうです」
「ふーん……」
 なぜだろう。何かが悔しい!
 その時。


「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお――――――――――っ!!!!!!!!!!」」


 菊くんとロイによる大歓声。
(ビクッ)
「「っ?!」」


 なっ…何事っ?!


「どうやらビィービが100点を叩き出したようですね……」
「あぁ、なるほど。そういや今回はビィービが歌ってたんだよね」
 デストの言葉に納得すr……100点?
「マジでっ?!」


 マジだった。
 画面に100点と出ている!


「うぃーひぃっひぃ! どうじゃ! ワシの歌声に聴き惚れるじゃろう!」
「ごめん。聴いてなかった」
「すみません。聴いてませんでした」
「ぐはぁああ!」
 勝ち誇っていたビィービがショックで撃沈した。
 そのビィービの横では腕を組んでだ菊くんとロイの二人が、しきりに うんうん と頷き合っている。
「家長、あれは聴かなきゃ損だぜ……」
「まったくだ。『津軽海峡冬景色』……素晴らしい曲だな!」


『津軽海峡冬景色』?!
 演歌かよ!!


「ぐぬぬ……し、しかしこれで優勝はワシのものだのぅ!」
 復活したしたビィービが叫んだ。
「まだよ。もしかしたら他にも100点出す人がいるかもしれないでしょ? その場合はジャンケンで勝った方が優勝よ。絶対100点出してやるから首洗ってなさい」
「俺も再チャレするぜ!」
「おい、そこのバカメダ三機。結託してウサギを最下位にするぞ」
「主導権の奪取ですね! 菊さん、その案のりました」
「デストや……バカメダ呼ばわりされたことには突っ込まんのかのぅ」
「主導権の奪取が先です」
「う~む。打算的じゃのう……」



 カラオケ大会の夜は過熱する。




 あとがき
――――――――――――――――――――
 アニメから千年後の話だと今話決定。
 通りすがり~は、アニメの『メダロットは超古代文明を築いたメダロ人の末裔だった』設定が超好きです。
 細かい設定は後日にて。

 次回予告!

 さて、長くなったカラオケ編も次回で最終回!
 明日はとうとう優勝者が決定するぞ。

 それでは、第三十話『カラオケ大会の結末』をお待ちください!

Re: 『マンホールに二次元世界』 ( No.30 )
日時: 2012/02/04 02:48
名前: 通りすがりのコンビニ店員



 第三十話『カラオケ大会の結末』



 

 カラオケ大会の夜は加熱した。


(ここから先、結果発表まで飛ばし読み可能です。読みにくさにイラッてきた方は飛ばして下さい)


「残酷なぁ~ 天使のテーゼェエエ♪」
「ロイ! 歌いながらスパゲティをバタつかせるなっ!!」
「ちょっと~、誰よピンクレディー予約したの?」
「ワシだのぅ」
「…っ?! ビ、ビィービなの?!」
「あっ、ビィービ。私も一緒に踊ります」
「…っ?!?! デッ、デストまでっ?! しかも踊るって…き、極めてる?! なに? メダロットではピンクレディーが流行ってるの? そうなの?? それが常識なの?」
「落ち着けウサギ。それは違う。それは違うぞ! 少なくとも俺はそんな特殊な趣味じゃない!!(汗」
「さっきから中二病の曲しか歌ってない人に特殊とか言われたくないです」
「まったくだのぅ」
「待て待て。俺はその気になればポルノとかも歌える。『アポロ11号』とか歌える! 決してオタクなんかじゃない」
「誰もオタクなんて言ってませんよ?」
「必死じゃのぅ」
「ぐっ……それこそお前らには言われたくないな。ビィービはともかく、デスト。お前なんかさっきから『プリキュア』とか『おジャ魔女どれみ』とか、そんなんばっかじゃねーか!」
「待って下さい。一番大事な『セーラームーン』が抜けてます!」
「ちがっ…俺が言いたいのはそこじゃない!」
「天然のデストにそれを言ってものぅ」
「いいですか? 『セーラームーン』を馬鹿にしないで下さい。日本が世界に誇る偉大なアニメですよ。いかに偉大かと言うと、1992年に放映を始め、漫画化し――」
「しまったのぅ…デストが語り出してしまったのぅ。菊や、お前さんのせいじゃ……もちろん止めてくれるのぅ?」
「 無 理 だ ! 」
「……だろうのぅ」
「あれ? デスト、その説明おかしいよ。 『セーラームーン』って確か、原作は漫画だし」
「――――えぇぇえええええええええええええええええっ?! そうだったんですかっ?! ………………さすがマスター、『うさぎ』繋がりでよくご存じで!」
「いや、別に繋がってるワケじゃないんだけど。作者も後で気づいて『やっちまった!』って叫んでたし」
((…デストが解説を中断した…っ?!))
「おーい。マイク空いたぜ! …………って、なんでビィービと菊が 愕然と凍りついてんだ?」
「さぁ? それよりロイ、つぎ私だからマイク頂戴ー♪」
「おっ。次は家長か……曲名は…『おしゃかしゃま』??」
「ぐふふ…『難しい曲ランキング100点制覇』に挑戦しまくった12の夏が甦るわ!」
「……マスターも屈折した人生送ってますね」
「余計なお世話よ」



 ~それから五時間後~



 結果発表。

 
 五位・ロイ。
 十八番の『残酷な天使のテーゼ』で96点!
 私による血祭りの制裁(実はきっちり下されてた)が尾を引いたらしく、最後まで調子を出せなかったため本人は不満ぎみ。
 まぁ、そこら辺は自業自得でしょう。


 四位・デスト。
 デストは『プリキュア5、スマイル go go!』で97点を叩きだした。
 最初は調子がでないタイプだったらしく、後半に歌えば歌うほど高得点を連発し、トップ陣に冷や汗をかかせていた。
 後一時間延長していたら……おそらく100点に達していただろう。


 三位・菊くん。
 歌う曲 歌う曲、もう中二病。
 しかし歌いこんでるため、全ての曲を90点代にのせていた恐ろしいネット中毒メダ。
 最高得点は403の『Northern Lights(ノーザンライツ)』で99点!
 無駄に美声でカッコイイのが御愛嬌。


 一位・ビィービ&ウサギ(私)。
 ビィービは歌の中でも音程をとるのが難しいと言われる『演歌』のジャンルで、始終100点しか出さなかった。
 さすが千年も生きているだけはある! ……ただ、ピンクレディーの踊りまで完璧だったのには引いたけど。
 

 そして私。
 なんとか宣言通り100点は出したものの、ビィービと違い『粉雪』の一曲だけだった。
 けど100点は100点。ルール上、ジャンケンでカラオケ大会決勝に挑む!
 ちなみに周りからは「人類の壁を越えやがった」と言われた。
 



「カラオケ大会も残すは決勝のみ……このジャンケンで決着はつくワケだけど――いいわね?! ビィービ!」
 場所は 古アパート『ののぎ荘』103号室――つまり、自宅。
 ビィービと私はコタツを挟んで対峙している。
「うぃーひぃっひぃ! これで勝てばワシの天下じゃのぅ!」
 かん高い笑いを上げるプリミティベビー。
「いいえ。勝ってもロイに命令できるだけですから、天下ではありませんよ」
 デストにつっ込まれた。
「……デストや、冷静に言わんで欲しいのぅ」
 ちょっと落ち込む。
「その命令の事なんだけどな。俺、いま気づいたんだけどさ。家長が勝ったら別に普段と変わらねぇんじゃねーか?」
 最下位のロイが 良い事に気がついた! みたいな顔で話す。
「安心しろ。それはない。ウサギは『私が勝ったら豚のごとくこき使ってやるわぁ(悦)』とニヤニヤしてた」
「うぉぉぁああ?! たっ、頼むからビィービ勝ってくれよぉぉおおおおおお!」
 ご機嫌顔は一瞬で恐怖に変わった。
「あーもう、外野うっさい! ビィービ、いくわよ?!」
 埒が明かないので無理やり話を進める。


「「最初はグー。ジャンケンぽん!!」」


 プリミティベビー・グー。



















 ウサギ(私)・チョキ。


「嘘っ?! 私が……負けたっ!!」
 ジャンケン、自信あったのに。
「うぃーひぃっひぃ! ワシの勝ちじゃ!! それではロイ、言うことをきいてもらうからのぅ」
「ほいほーい。なんだよ?」
「それはのぅ……実はのぅ、(ごにょごにょごにょ)」
 ビィービがロイに耳打ちする。
「なるほどなぁ。そういや もうすぐだっけ。デスト、菊。ちょっとお前らも来い!」
 ロイが手招きして、何やら四機で話し込みだす。


 ……なにこの疎外感。

 
 超 さ び し い !


「ねっ、ねぇ~? 何の話してるの? 私も仲間に入れてよー」
「すみませんマスター。私たちだけの話をしてるんです。離れてて下さい」
 小声で呼びかけてみるが そっちのけにされた。
 あれは確実に邪魔者を見る目だ!


 五分後。


「なるほど。話はわかりました」
「そういうことなら俺も協力する」
「くそぉ……やっぱ俺は一番重い係りかぁ」
「当然じゃのぅ…任せたからのぅ。ロイ」
「くっそー。そう言われると俺、弱いんだよなぁ」
「はははは――……あれ? ウサギ?? あっ、コタツの中か!」
 コタツにもぐり込んだ私を菊くんが発見する。
 デストが一緒に中を覗き込んだ。
「……膨れてますね」
 主に頬が。
 デストの付け足しに、全員がため息をつく。
「おーい。ウサギ? こっち向けよ」
「マスター。別にのけ者にしたわけじゃありませんよ?」
「そうだぞ家長。出てこーい」
「……見事な拗ねっぷりじゃのぅ」
「感心するな。ビィービ…」
「マスター。出てきて下さーい!」


 ごそごそと私はコタツから這い出る。
 ほっ とする面々。
 私は正座をし、頭を下げた。


「 実 家 に 帰 ら せ て 頂 き ま す !! 」
「「「「……っ?!!!!!!!!」」」」


(ガタッ)


「待てウサギ!! 話せば分かり合えるはずだ!」
「そうです。何も出て行かなくても!」
「家長。考え直せ!!」
「れれれれれれれれれれれれr冷静に、お互い冷静に!のぅ」
「今までお世話になりました」
「待て――! 落ち着け―――――!!」
「私は落ち着いてるよ、菊くん? すぐに荷物まとめるね」
「わぁあああああ!? デッ、デスト! 玄関の鍵閉めろ!! 封鎖しろ!」
「菊さん、それって…っ?!」
「ちょっと?! 私をこの部屋から出さない気?!」


「……どうしても出て行きたいなら、俺を倒してからにしろ!」


「「「おぉぉおおおおおおおおお!」」」
 感動するバカメダ三機。
 一瞬あっけにとらた私は、思わず舌なめずりをする。
 乱闘の予感に番長時代の血が騒ぎ出していた。
「ぐふふ…いいわ! 力づくで通ってやる!!」
「くっ…バカメダ三機も手伝え!」
「「「了解!」」」
「ぐふふ――ぐははははははははははっはははは! ちょこざいな! 東の鬼百合と呼ばれたこの私を相手に四機で足りるかよぉおおおおおお!」


 この日の深夜、私はスミロドナッド。ビーストマスター。ゴットエンペラー。プリミティベビーの四機を相手に、素手で完勝するという偉業を成し遂げた。





 で、次の日。


「あぁー。久しぶりに全力で暴れたからスッキリしたぁ~♪」


 陽気なメダロッターたちが住む古アパート『ののぎ荘』の103号室には、
 爽やかな笑顔で背筋を伸ばす美少女と


「「「「やっぱり…出て行ってくれ…………」」」」


 ボロ雑巾となったメダロットが四機いましたとさ!




 *めでたしめでたし*


 
                 第三十一話に続く。
 

 あとがき
――――――――――――――――――
 作者暴走のカラオケ編終了。
 本当にお粗末でした!! 読んで下さった方々、ありがとうございます!
 良かったらこれからも宜しくお願いします!!


 次回予告!
 綺麗に三十話で区切りがつき、次回は初っ端からかなりのシリアス感。(作者的には
 出来るだけ一話完結を目指してきたのをかなぐり捨て、連作に持っていくぞ!
 その始まりが――来週、第三十一話『死にたがりのメダロット(前編)』。
 

 ご期待ください!